今季、日本ハムとコンサルタント契約を結んだトレイ・ヒルマン元監督(60)が帰国した。

14~19日までチームに同行し、沖縄・名護キャンプを視察。練習試合では、ともに06年日本一を経験した新庄剛志監督(51)と一緒にベンチに入った。Bクラスから優勝を狙うための秘訣(ひけつ)に挙げたのは「忍耐」。16年ぶりに見た古巣は-。名将がチームの現状をチェックした。

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04年から日本ハムを率い、06年に日本一、07年には球団史上初のリーグ連覇を成し遂げたヒルマン元監督が球団復帰後、初めてのチーム視察を終えた。「シンジラレナ~イ!」の名言でおなじみの名将は、今季からコンサルタントとして、新外国人選手のスカウティングや、外国人選手やコーチ陣への定期的なカウンセリングなどを行う。練習試合では当時と同じ背番号88のユニホームでベンチ入り。練習中も、新庄監督と話し込む姿がたびたび見られた。

ヒルマン氏 コーチの雰囲気が、すごく良くて楽しめた。コミュニケーションが出来ていて、新庄監督にとって、とても役立つと思う。(日本一になった当時と)すごく似ているものがある。優勝に向かって行く目線が同じ。新庄さんの下、うまい具合に歯車が回っていくのでは。投手に関してはピッチングがすごくいいし、配球には目を見張るものがあった。打者もみんな、スイングがいい。アプローチに関しては、言うことはないと思います。

自身も、日本一になった前年の05年は5位とBクラスを味わった。チームは昨季最下位。Bクラスから優勝を目指すために必要なこととは、何なのか。

ヒルマン氏 日々を大事にすること。毎日ワンステップ上がっていく。チャンピオンになるためのエスカレーターはないのだから。忍耐力が必要だし、それに伴って、毎日続けることが大事なんじゃないかと思う。

監督もコーチも、そしてプレーする選手たちにも求められる忍耐と継続。地道な努力の積み重ねが、頂点につながると提言した。

ヒルマン氏 新庄さんについては、彼自身が選手として優勝していて、野球に対する熱意や人柄が、すごくいい。彼は気付かないかもしれないけどね。みなさん誤解しているのが、私のように二十何年間の経験があっても、学ばなければならないことがあるということ。個人的に、新庄さんがどれだけ勤勉で、どれだけ学ぶことに熱意があるかを、私は知っている。新庄さんの熱意や人柄を使っていけば(チームの強化は)全く問題ないと思います。

現在、チームはレギュラー争いの真っ最中だ。現役引退を決めた06年、ヒルマン元監督の下で日本一を経験した新庄監督は「今のチームの感じは当時と似ているかもしれない。レギュラー取りのバチバチ感が、かなりあるから」。春季キャンプは残り2クール。開幕まで40日を切り、チーム作りは、いよいよ加速していく。【中島宙恵】

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