打つぞ甲子園1号! 阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が、4日のオリックス戦で甲子園デビューする。

途中出場から2打席程度を予定。阪神新人が甲子園のオープン戦で本塁を打てば1980年(昭55)、現監督の岡田彰布以来の快挙で、森下も「打てたら最高」と意気込んだ。新旧ドラフト1位が43年の時を経てシンクロなるか。大勢のファンの前、名刺代わりの1発に期待が高まる。

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森下がいよいよ、4日のオリックス戦で初めて甲子園の打席に立つ。途中出場から2打席程度を予定。阪神新人が甲子園のオープン戦初戦で本塁打を打てば、80年岡田以来の快挙になる。背番号1も腕ぶした。「打てたら最高。でも一番は打点とかチームの勝利につながるところが大切。結果がホームランになれば一番いいですね」。新庄も桧山も今岡も鳥谷も大山も佐藤輝も42年間こじ開けられなかった開かずの扉。自らの役割も頭に入れ、最高の結果を目指す意気込みだ。

岡田監督も「そら覚えてるよ」と思い起こす甲子園1号は80年3月18日の西武戦。「8番右翼」で出場し、3打数無安打で迎えた9回2死、松沼博久から会心の3ランをかっ飛ばした。岡田はこの年、打率2割9分、18本塁打で新人王を獲得。森下も甲子園デビューを1発で飾れば、シーズンで大活躍する最高の景気づけになりそうだ。

十分にその可能性は秘めている。沖縄キャンプで結果を残し続け、今や指揮官も開幕3番候補に挙げる。キャンプ中の実戦打率は8試合で3割8分1厘。だがまだ、1発は出ていない。そこで「(打球の)角度が出ていなかった」とキャンプ後の甲子園練習ではバットを少し高く構えるフォームに修正。早速1日には佐藤輝の5本を上回る7本の柵越えを放ち、「すごく打ちやすかった」とアーチ量産への手応えをつかんだ。

この日もフリー打撃では広角に鋭い打球を連発。その後は走塁練習や、外野で筒井コーチとの個別守備練習で汗を流した。攻守ともに甲子園仕様に仕上げ、いざ出陣だ。

週末で大勢の観客が予想され、森下も「すごく楽しみ」と力にする。甲子園でのプレーは東海大相模(神奈川)で4強入りに貢献した18年のセンバツ以来5年ぶり。当時は15打数4安打でノーアーチ。名刺代わりの甲子園1号に期待が膨らむ。「ルーキーとして元気よくフレッシュに。あまり気負いすぎず、声出していきたいなと思います」。キャンプの勢いそのままに、暴れる準備はできている。【波部俊之介】

◆80年甲子園オープン戦初戦の岡田の本塁打 6球団競合の末、79年ドラフト1位で阪神に入団した岡田は、米国アリゾナ州でのキャンプ終え3月15日に帰国した。チームの甲子園でのオープン戦初戦となった同18日の西武戦に、8番右翼でスタメン出場した。三振、捕邪飛、遊ゴロの3打席ノーヒットで迎えた0-5の9回裏2死。走者2人を置いて前年16勝で新人王に輝いたサブマリン松沼博久の初球、内角真っすぐを左中間ラッキーゾーンへ。この日唯一の得点となる3ランで一矢報い、大きな拍手を浴びた。不慣れな外野守備に苦しみ、8回には田淵の飛球をグラブに当てながら転倒。名誉挽回の一撃に「これで気持ちも楽になりました。最高のホームランです」と初々しく語った。

○…井上は「切り替え」の精神で1打席に集中する。4日からのオリックス2連戦は、山岡、田嶋ら実績派ローテ候補の登板が予想される。「打てたり(ボールを)見逃せたら自信になるし、逆に打ち取られたりボール球に手が出たとしても次につなげられる。気にせずに、次の打席で同じ失敗を繰り返さないようにできれば」。一喜一憂せず、泰然自若で打席に臨む。

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