阪神岡田監督もビックリだ。オリックス右腕、山下舜平大投手(20)が衝撃の甲子園デビューを飾った。観客1万7603人を前に、阪神戦の7回に今季初実戦登板。オープン戦もプロ3年目で初ながら、周囲の度肝を抜く快投を演じた。

先頭の島田にいきなり157キロを連発。最後は自己最速158キロで空振り三振を奪い、スタンドをどよめかせた。ドラフト1位ルーキー森下は156キロで押し込み二ゴロ。売り出し中の井上も直球で追い込み、最後は野茂氏に教わった142キロのフォークで三ゴロに仕留めた。わずか7球の1イニング完全投球だった。

昨季は腰の成長痛などで2軍でも8試合登板。オフに両足首の手術を受け、今キャンプではシート打撃に投げただけだった。エンゼルス大谷に憧れ、フォームも所作も似ている。梵内野守備走塁コーチも「大谷そっくり」と話す大器が早速、“大谷級”のボールで両軍を驚嘆させた。

これまで西武平良や大阪桐蔭時代の藤浪ら多くの速球投手を受けてきた森は「ヤバいです。バケモンでした。今まで捕った中で一番速い。この先怖いっす」と仰天。敵将の岡田監督も「速いなあ、あれ。山下っていうの。びっくりしたわ。久しぶりに速い球見た」と目を丸くした。まさに名刺代わりの剛球だった。

20年ドラフト1位入団。声出しや鳴り物入り応援は今回が初めてだったが「意外と緊張もしなかった」。高校時代は届かなかった甲子園で実力を見せつけ「目標は開幕ローテ入りと初勝利」と力強い。中嶋監督は「楽しみな選手ではありますけどね」と慎重に育成を進める方針だが、末恐ろしい投手がまた1人、オリックスに現れた。【高垣誠】

○…開幕投手候補の山岡が、今季初の対外試合で課題を残した。阪神戦に先発したが、立ち上がりから制球が定まらず1回に2失点。72球と球数がかさみ3回を投げきれず、2回2/3で4安打4四球。「ちょっと投げすぎた。四隅を狙いすぎた」と反省した。中嶋監督も「あまりいい内容ではなかったかな」と評し、山岡は開幕へ向け「徐々に上げていけたら。準備はしていきたい」と前を向いた。

▽オリックス頓宮(途中出場で2打席連続タイムリー二塁打)「あまり力を入れずに振れて外野の頭を越せた。打球がどこに行こうが自分の形で打てたのでよかったです」

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