日本ハムは16日、新庄剛志監督(51)の強い希望で、新本拠地エスコンフィールドで約2時間半のナイター練習を行った。午後6時半開始の、30日の楽天との開幕戦を想定したもの。チームは14日と15日に新本拠地でオープン戦を戦ったが、いずれもデーゲームだった。センター後方にそびえる全面ガラス壁と球場照明の兼ね合いが難しく、本番までに選手が最もパフォーマンスを発揮できる環境を探っていく。

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日が落ちた午後5時。日本ハムの練習が、ようやく始まった。外は夕闇。新球場の照明が、全面ガラス壁に反射し輝いた。「オレがナイター練習を作ってほしいってお願いした」という新庄監督は「明るかったら、きれいだけどね。照明を明るくすると、今度はあの自慢の電光掲示板が暗くなる。いろいろ(問題は)出てきますけど、選手が一番やりやすい明るさで」と、悩ましげだ。

開業したばかりの新球場で、14日と15日に初めて対外試合を行った。いずれも、デーゲームのオープン戦。この日は当初、昼間に練習を行う予定だったが、開幕戦を見据えた新庄監督の強い希望でナイター練習に変更。サインプレーなどを確認した。

一番のチェックポイントは、センター後方にそびえる全面ガラス壁と照明の関係だ。新球場は球界でも例を見ない、外光をふんだんに取り入れる構造になっている。「一塁走者が左中間、右中間の打球判断を見失う」と新庄監督。今月2日の紅白戦は最大出力の55%、14日は65%、15日は70%と照明の輝度を数段階変えながら、選手のプレーを妨げない明るさを探ってきた。初のナイター練習は80%の出力に設定したが、内野手の石井は「フライが上がった時はまぶしかった」(石井)と選手によって個人差があり、まだまだ“実験”が必要だ。

「(新球場を)敵に回したら、一番試合数が多いから大変なことになる」と新庄監督。照明だけでなく、打球の勢いが止まるグラウンドなど、新庄監督が「世界一」と自負する本拠地は、革新的な球場だけに癖も強い。開幕戦は30日。本番までにホームを完全掌握し、味方に付ける。【中島宙恵】

○…清宮がWBC日本代表の大谷が見せたセーフティーバントに「びっくりしたし、ああやってふいっと成功できちゃうのがすごい」と感嘆の声をもらした。エスコンで行われたチーム練習に参加。「大谷シフト」で空いた三塁方向に鮮やかに決めた大谷のバント技術に触発された。「大胆なシフトを敷いていた。そういうシフトになっていたらあるかもしれない」と自身の引き出しにも取り入れるつもりだ。

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