侍ジャパンの一員としてWBC出場中の阪神湯浅京己投手(23)が、新守護神として開幕戦に間に合う可能性が20日、浮上した。

当初岡田彰布監督(65)は代役を立てる方針を示していたが、WBC球になじんでいる状態を確認して考え方を軌道修正した見込み。虎のリリーフエースが、23年初陣となる31日DeNA戦(京セラドーム大阪)からチームを引っ張る。

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「3・31」の最終回のマウンドには、背番号65が立つことになりそうだ。WBC出場中の湯浅について、当初岡田監督は開幕からの起用に「すぐには無理やろうけど…」と難色を示していた。ただ、WBC球に順応している姿を確認できたことで、方針を転換したもよう。指揮官は「(日本に)帰ってきてから、合流してからの判断やろ」と話すにとどめているが、問題なければ開幕守護神のGOサインを出す見込みだ。

2月の沖縄春季キャンプ中には抜け球が目立つなどしていたが、実戦を重ねる度に精度を向上させた。6日の阪神との強化試合では最速155キロの直球と宝刀フォークを駆使して3人斬り。見守った指揮官も「あの球に慣れるということは日本の球に戻ってもある程度いけると。投げきれとった。ええ投球したから安心したよ」と胸をなで下ろした。本大会初戦の9日中国戦では8回に登板して圧巻の3者連続三振を奪うなど、完全にボールを操る頼もしい姿をみせていた。

04年アテネ五輪に日本代表として出場し、国際大会の経験がある安藤投手コーチも前向きだ。帰国後の「状態を見てからの判断」と前置きをした上で、「ミズノ(NPB公式球)のボールへの対応はすぐにできるかなと思う。(日本の)ボールへの対応がちょっと難しいと判断すればストップをかけると思うけど、いけるんだったらいくでしょうね」と見通しを語った。

湯浅もかねて「WBC球から日本のボールに戻す方が、自分の感覚的には全然いけると思う。開幕からいけるように調整していきたい」と話していた。21日(日本時間22日)のWBC決勝に進出した場合、早くて25日前後にチームに合流できる見込み。オープン戦では投げず、28日からのウエスタン・オリックス3連戦(杉本商事BS)の実戦登板を挟んで開幕に向かう可能性が高い。「開幕守護神・湯浅」を実現させ、スタートダッシュを決めたい。【古財稜明】

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