新戦力が新球場初出場で光り輝いた。ロッテからトレードで加入した日本ハム福田光輝内野手(25)が、プロ入り初の「4番三塁」でスタメン出場。6回無死満塁で、中堅フェンス直撃の決勝の3点適時二塁打を放った。ここまで4番を担ってきた野村が腰の張りを訴え欠場。急きょ先発出場を伝えられ、エスコンフィールド初見参で、しっかりアピールした。

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いきなりの大役にも、福田光は動じなかった。0-0で迎えた6回無死満塁の好機。この日朝伝えられた4番としての第3打席。1、2打席目は遊ゴロ、三振に倒れており「やられていたので、チャンスでもあるし思い切っていこうと思った」。ソフトバンク石川の外角フォークを捉え、中堅フェンス上部まで運んだ。

オープン戦でいまだ本塁打のない新球場。あと少しで記念の1本になるところだったが「あんまり1号とか気付いていなかった。チャンスだったので抜けてくれと」。新球場初出場で移籍初安打が決勝打。「メジャーの球場みたい。いろんな球場に行ったんですけど全然雰囲気が違う。初めて風呂に入ったんですけど、アメリカに来た気持ちでした」と笑顔で話した。

加入直後の8日、古巣ロッテ戦で代打に立つも右邪飛に倒れた。19日の巨人戦では「9番二塁」で移籍後初スタメンも4打数無安打。それでも「打たなアカンと言う感じはあんまりなくて。ちゃんと自分のスイングができればヒットは出ると思った」。欲張らず、やってきたことを、しっかり試合で出すことだけに集中した結果だった。

指揮官もニューパワーの躍動を喜んだ。新庄監督は「ああいうところで打てるところは素晴らしいアピール。ちょっと考えさせられる選手になりましたね、今日で」。開幕1軍へ、一気に前進した。

試合前練習の合間にはWBC準決勝、日本-メキシコの試合経過もチェック。福田光は「オープン戦とは比べものにならないくらいの重圧の中、結果を出したり1つのアウトを取るのはすごいこと」。小さな光を放ち続け、大きな輝きに変えていく。【永野高輔】

○…6回に追加点となる適時二塁打を放った清宮は「練習で取り組んでいることが(結果として)出てきた」と納得顔だ。開幕が近づく中、直近の出場3試合で7打数5安打3打点と打撃が上向き。「踏み込みと同時にバットが出る」という意識が、身に付いてきた。この日、米国では、同学年の侍ジャパン村上が劇的なサヨナラ打。清宮は「ずっと苦しんでいたので良かった。さすが。まだ決勝があるので暴れて欲しい」とエールを送った。

○…田中正が7回に3番手で登板し、古巣相手に1回24球、無安打無失点と快投した。「なかなか空振りが取れないバッターたちなので、しっかりシーズンでも抑えられるように頑張りたい」。これで5日の楽天戦から5試合7イニングで、2安打無失点と好調を持続。リラックスした表情で投球し「過緊張になりすぎず、自分のパフォーマンスが出るところを探っている」と説明した。

○…先発ポンセが新球場2度目の登板で、4回51球を投げ、2安打2奪三振無失点と好投した。14日の西武戦(エスコン)は3回途中で2安打2失点降板。「今日はストライク先行で行けて良かった。開幕までにフォアボールを出さないようにしたい」と修正ポイントを挙げた。電車通勤を続けているが「誰かがポルシェを買ってくれたら、運転してくるのだが」とジョーク交じりに話した。

○…開幕投手に指名されている加藤貴が22日のソフトバンク戦(エスコンフィールド)で、開幕前最後の登板に臨む。前回登板した15日の西武戦では、5回1安打無失点と安定した投球。仕上げ段階に入っており「打者にしっかりと向かっていけるように。明日投げて、いいところと悪いところが出ると思う。そこは、しっかり残された時間でやっていけたら」と思い描いた。

◆ソフトバンクとのオープン戦(エスコンフィールド)に「9番右翼」で先発した日本ハム江越大賀外野手(30)が、1回表が始まる前に途中交代した。試合開始直前に右足を痛めたとみられる。

◆日本ハム野村佑希内野手(22)が腰の張りのため、大事を取ってソフトバンクとのオープン戦(エスコンフィールド)を欠場。22日も欠場の見込み。

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