開幕カード2戦目となる4月1日楽天戦での先発が有力視されている日本ハム上沢直之投手(29)が25日、ヤクルトとのオープン戦で先発登板し、開幕最後の調整を終えた。本塁打を浴びたが、内容的には2失点とまずまず。過去2年は開幕前最後の登板で思うような成績を残せなくても、シーズンに入れば白星を重ねてきた実績がある。公式戦初登板で勝利を挙げて、スタートダッシュを決めるつもりだ。

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開幕前に黒星を喫しても、不安材料は口にしなかった。上沢は「春先はあまり良くないのに慣れてきた感じがありますね」。開幕前に調子が出ない年でも結果を残してきたことが、自信を与えている。自己最多12勝をマークした21年は、開幕前最後の先発マウンドとなったロッテ戦で7安打3失点で敗戦投手。8勝を挙げた昨季は、最終調整の場となった広島戦で勝利したものの、5回を10安打という内容だった。

「最終的に数字が残せればいい。良すぎても怖くなるし」と焦りはない。「でも、1日でも早くしっかりとした状態に持っていきたいという思いはある。試合を投げていかないと、僕は直っていかないのかな」と話し、シーズン序盤でベスト投球を見せるつもりだ。この日は6回94球を投げて、被安打7、5奪三振。2本のソロ本塁打で2失点を喫したが、建山投手コーチも上沢の状態について不安視はしていない。「去年の上沢らしい投球。(本塁打については)気にしていない」と話した。

調子が万全ではない中でも多彩な変化球を駆使して、大崩れしない安定感を見せた。「変化球に関しては悪いところはなかった」と振り返った。初球に緩めのカーブを投げてストライクを奪う場面も目立った。「緩いカーブでカウントを取れればそれなりに試合をつくれる」と自信を見せた。

開幕カード2戦目での先発が濃厚。ますは白星スタートで、「最速50勝」を旗印に掲げる新庄監督のプラン遂行にも貢献するつもりだ。「スタートダッシュが大事と監督も言っているので、しっかりスタートダッシュが決められるように投げられたら」。開幕初登板で一気にギアを上げて、勝ち星を積み上げていく。【石井翔太】

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