阪神岡田彰布監督(65)は開幕前最後の一戦を終え、オープン戦12球団最多得点を記録した打線への手応えを口にした。

開幕想定オーダーで挑んだこの日は先発山岡から2点しか奪えなかったが、17試合で計72得点。20試合で計71得点の2位楽天を上回った。「ええ投手にかかったらそんなに打てへんし。しかし、12球団で一番得点、挙げてるんやで。打ってるってことやんか」と納得顔だ。

チーム13本塁打は3位。「こんなホームラン出るチームじゃないやんか。いや、数字見たら分かるやん。オレらがどう思てるかよりも、ちゃんと数字が表してるわけやから」。昨秋の就任直後から投手を中心に守りのチームを作ってきた中で、意外な数字を喜んだ。

もちろん、だからといって浮かれるはずもない。8勝9敗と負け越したオープン戦は勝敗よりも内容を重視。不動のコンビとして期待する4番大山、5番佐藤輝は最後にようやく状態が上向いてきたが、低空飛行が続いた。チーム4冠に輝いた6番ドラフト1位森下、左腰の張りで一時離脱していた3番ノイジーも本番での実力はまだ未知数だ。

阪神のオープン戦12球団最多得点は和田政権の13年以来10年ぶりとなるが、このシーズンは2位フィニッシュ。打線は水物だけに、岡田監督は変わることなく投手陣への期待値が高い。「最後に思った以上に先発がふがいなかったのが一番の総括」と不安を隠さず、さらなる奮起を求めた。

開幕まで猶予期間は4日間。今後は左肩違和感を訴えていた岩貞、WBCから帰還した湯浅を28日からの2軍オリックス3連戦で登板させ、開幕1軍メンバー31人を絞り込む。18年ぶりの「アレ(=優勝)」に向け、岡田阪神が最終調整に入る。【石橋隆雄】

○…ドラフト6位左腕の富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)が6回に登板し、1回を無失点に抑えた。大竹から学んだカットボールでなかなかストライクを奪えず、17球を費やしたが3者凡退。オープン戦7試合、9回1/3で防御率0・96。開幕1軍をほぼ確定させた。「1軍選手やメジャーリーガーと対戦した中で、自信に変わってきた」。6日の侍ジャパン戦でバットを折りながら大谷に浴びた3ランも糧にした。

○…勝ちパターン候補の石井大智投手が、オープン戦の登板全8試合を無失点で終えた。オリックス戦の7回から3番手で登板。先頭福田を遊直に仕留め、来田はフォークで空振り三振。最後は好調野口から内角低め147キロ直球で見逃し三振を奪った。オープン戦防御率0・00にも一喜一憂することなく「シーズンでしっかり結果を出せるように、しっかり調整して、シーズンに向けて頑張っていきたい」と気を引き締めた。

○…浜地真澄投手がオープン戦2度目の連投テストを行った。4番手で8回に登板。先頭のゴンザレスに右中間二塁打を許し、杉本の犠飛で1点を失った。「最後に情けない投球をした。開幕までにしっかり準備したい」と6戦ぶりの失点を反省した。とはいえオープン戦8試合登板で2失点、防御率2・25と安定。勝利の方程式の一角として、開幕からフル回転が期待される。

【関連記事】阪神ニュース一覧