WBC日本代表山田哲人内野手(30)が世界一をたぐり寄せる“世紀のゲッツー”を完成させた際のリアルな心の動きを明かした。26日、帰国後初めてヤクルトの練習に参加。埼玉・戸田市の室内練習場でティー打撃を行うなど約1時間30分、汗を流した後に取材に応じた。

米国との決勝。1点リードの9回。この回からマウンドに上がった大谷が先頭打者に四球を出し無死一塁となった場面で、次打者が二ゴロを打った。山田がさばき併殺プレーとして世界一を大きく引き寄せたシーンだが「緊張していました」と明かした。「イージーバウンドだったので良かったけど、ちょっとでも横にそれていたらどうなっていたか分からないですからね。それくらい緊張していた」と振り返る。

遊撃手の源田にトスする際「手が震えるほど緊張していたか」と問われると「いや~ありましたね。だから手じゃなくて体ごとセカンドベースに行きました。体ごとトスしました」とその瞬間のリアルな心情を明かした。

また、決戦の地を米国に移した初戦が「一番難しかった」という。その時の心境を赤裸々に明かした。「みんなもそうだったと思うけど、なかなか点が入らなくて、終わってみれば雰囲気にのまれていた部分もあったのかなと思うところもある。独特の雰囲気、空気、こんな中で試合するの初めてだなと思いながらプレーしていた」。

さまざまな苦難を乗り越え手にした世界一の称号。「僕自身がたくさんの人にありがとうと伝えたいのに、逆にありがとうと言っていただいてうれしかった。やっている僕らも、すごい、試合しながら感動したんで、本当に野球やっていて良かったなとあらためて思いました」と謝意を述べた。