仰天の2戦連発だ。日本ハム万波中正外野手(23)が、ソフトバンク戦の4回に一時同点に追いつく2号2ランを放った。

石川の得意球である120キロのパワーカーブを捉えると、メジャー級の打球速度170キロを計測。9日オリックス戦に続いて、左中間スタンドへ衝撃の打球を突き刺した。チームは今季初のサヨナラ負けで連勝が2で止まったが、これで4試合連続打点となった5番万波の勢いは止まらない。連勝が2で止まったが、これで4試合連続打点となった5番万波の勢いは止まらない。

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万波の打球に、ソフトバンク外野陣も足を止めた。2点を追う4回2死一塁。初球120キロのパワーカーブを捉えた。打球角度が27度の放物線は、メジャー級の打球速度170キロという速さで左中間スタンドへ着弾した。推定飛距離は135メートル。敵地のファンからも、どよめきが起きた一時同点となる2号2ラン。それでも、本人は普通のこととして捉えていた。

万波 170キロだったら、まだ特に…。角度がよかったなと。今年は185キロをゲームで打ちたいので、特にあんまり…。打撃練習では、もっと遅い球で、もっと速い打球は出ているので。でも、本当にいい角度、いいタイミングだった。

最高の結果を出せたのは、アプローチも完璧だったからだ。打ったパワーカーブは「狙っていました」。理由も明確。石川-甲斐のバッテリーが日本ハム打線に「直球を意識付けさせていると感じたので(2巡目の対戦では)そろそろ変化球で入るタイミングだと。石川投手と言えばカーブなので、肩口から来たら絶対に打とうと思った」。どんぴしゃにハマった。ミスショットしなかったところが、成長の跡だ。

今季から同学年の“ミレニアム世代”の選手がチームに10人となった。「ジェームス(野村)に負けたくないですし、大卒で入ってきたメンバーも1軍いて、すごい刺激になっている」。オリックス戦を戦った大阪から試合後に福岡へ移動した9日には、同戦で同時出場した野村、金村、矢沢と“同期会”を開催して英気を養った。会計は「矢沢が。じゃんけんで負けたので。僕の同級生はじゃんけんなので」とニヤリ。そんな仲間の存在が活力となっている。

だからこそ、最後は打ちたかった。延長10回2死一塁で遊飛に倒れた。「最後、勝ちきるためには、あそこで打てないと」。5番定着へ、悔しさを糧に結果を出し続ける。【木下大輔】