大商大が先勝した。プロ注目のエース上田大河投手(4年=大商大高)が8回途中3失点と粘り、逆転を導いた。同じくドラフト候補の高(たか)太一投手(4年=広陵)は本調子でないながらも、2番手で無失点だった。

上田が一気にギアを上げた。初回に1点を先制され、4回に内倉一冴内野手(4年=履正社)に甘いカーブを2ランにされた。不用意な1球で3点のビハインド。「もう点をやれない」と次打者に154キロの直球を投げ込んだ。自己最速を1キロ更新する剛球で、龍谷大打線の勢いをぴたりと止めた。

近年はほぼリーグ優勝を独占してきた大商大だが21年秋は龍谷大にさらわれた。当時も主力で今年は主将になった上田はラストイヤーの全勝Vを誓っている。

「同じ相手にもう負けられない。やり返さないといけないという気持ちが強くて、興奮しすぎて、気合が入りすぎました。8回に走者を出したところで代わったのも、監督さんがカッとなる僕の性格をよく分かっているから。チームの勝利が大事なので、また切り替えたい」。大院大戦の7安打完封に続き、自身リーグ13勝目とした。

8回無死一塁から登板した最速151キロ左腕の高はこの回を抑えたが、9回の先頭に四球。2人目も3ボールとなったところで突如交代を命じられた(記録は四球)。左手の人さし指のツメを痛めていた。2戦目の先発が予定される高は「2戦で勝ちきれるように、明日は汚名返上したい」と気合を入れ直していた。