阪神及川雅貴投手(22)が今季初登板し1回無安打無失点に抑えた。甲子園のマウンドは2年ぶり。6回にリリーフカーに乗って姿を見せると、横浜高校の先輩でタレントの上地雄輔(44=アーティスト名は遊助)が昨年、及川のためにアレンジしてくれた「オセロ」が初めて流れた。

先頭デビッドソンにこの日最速の151キロ直球で空振りを奪い、スタンドから大歓声。3球で右飛に仕留め、続く坂倉は四球も、田中、会沢も直球で右飛に打ち取った。「だいぶ緊張しました。ボールが先行しましたが、ある程度まとまって投げられてよかったかなと思います」と振り返った。

1軍登板は昨年8月4日の巨人戦(東京ドーム)以来。21年に中継ぎで39試合に投げ、昨季は先発転向しさらなる飛躍を目指した。だが、中継ぎ再転向し、オープン戦で右脇腹筋を挫傷。登板わずか1試合と不本意なシーズンとなった。今季は2軍で3試合、8回2/3を無失点と結果を残し、湯浅に代わり18日に昇格。この日は19年ドラフト組の1位西純、2位井上、3位及川と3人が初めて同じ1軍の舞台に立った。甲子園を沸かせた同学年がそろった記念すべきゲームから再び1軍定着を目指す。【石橋隆雄】

■大山、猛打賞も適時失策

4番大山が勝負強さを発揮した。1点リードの2回1死満塁。広島アンダーソンのカットボールを左前へ運ぶ適時打を放った。「(西)純矢が粘り強く投げていたので、少しでも多く点を取ってあげたいという気持ちでした」。1打席目にもノイジーの犠飛の後、好機を広げる左前打を放つなど猛打賞をマーク。だが、8回に今季チーム初となる適時失策で点差を広げられ「きょうはあのエラーがすべてなので、申し訳ないです」と、敗戦の責任を背負った。

■ドラ6富田、初甲子園で無失点

ドラフト6位の富田が甲子園デビューで快投した。逆転を許して迎えた4回1死二塁の場面で2番手登板。菊池、野間をともに遊ゴロに仕留めると、続く5回も秋山らクリーンアップを抑えた。1回2/3を無安打無失点。「(4回は)1点差だったので、これ以上は点をやれないと思って投げていた」と踏ん張った。大垣商(岐阜)時代は無名の存在だったが、甲子園を沸かせた西純、井上らとは同学年。あこがれの聖地で存在感を示した。