プロ3年目の「メガゴジラ」が大きな1歩を踏み出した。身長2メートルの巨人秋広優人内野手(20)がプロ初安打&初打点をマークした。「7番左翼」でプロ初スタメン。1点を追う2回2死一塁、ヤクルト小川に追い込まれた4球目、1-2から甘く入った直球を長い手足で強振した。ライナーで右中間を破る同点適時二塁打とし「去年は1軍に登録されず悔しいシーズンだった。この日を目標にやってきた」と1軍でしか味わえない充実感を実感した。

34歳の誕生日を迎えた師匠にも成長を示した。2年連続で中田翔の自主トレに同行。費用は全額負担してもらい、1日12合近い米を平らげる食トレで大きな体は1年前より6キロ増の107キロにスケールアップした。昨年9月17日、二十歳の誕生日にはヴィトンの高級財布をプレゼントされた。

1軍キャンプ完走間近の2月28日で2軍合流となった時も、中田翔からの言葉は響いた。

「頑張れよ。自分でこれっていうスタイルを持ちなさい」

背番号も松井秀喜氏と同じ55。周囲は豪快な大砲と期待を寄せる。その中で理想のスタイルは揺るがなかった。「長打を求められるが、自分は率も捨てたくない。どっちもしっかり残せるようなバッターに」。球界の日本人野手で最も長身の体は、大きな可能性を秘めている。恩返しはまだまだ果たせていない。

未完の大器はいう。「初安打、初打点は実現できた。次は初ホームランを」。1週間ぶりに最下位を脱出した苦境のチームの救世主になる。【上田悠太】

◆秋広優人(あきひろ・ゆうと)2002年(平14)9月17日生まれ、千葉県船橋市出身。二松学舎大付では投手として最速144キロを出し、通算23本塁打。20年ドラフト5位で巨人入団。過去の1軍出場は21年9月29日中日戦の1打席(代打で左飛)。昨季はイースタン・リーグ最多の98安打をマークした。200センチ、95キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸630万円。

▼身長2メートルの巨人秋広がプロ初安打。2メートル以上の日本人選手は過去に馬場正平だけ。馬場はプロレス転向後に209センチだったが、55~59年の巨人時代は200センチで登録。1軍では57年に3試合に登板し0勝1敗、防御率1・29、打撃成績は同年10月23日中日戦の1打席(三振)だけで、日本人選手では秋広が史上最長身の安打となった。

▽巨人原監督(初スタメンで同点適時打の秋広に)「いいバッティングしたね。2アウトからね。(投手も含め若手が躍動)どんな力でも、力は出さないと」

○…大城卓が相性抜群のライアン斬りを決めた。同点の4回1死満塁、ヤクルト小川に追い込まれてから、直球を右翼線へ運んだ。2点適時二塁打が勝ち越しV打になった。対小川は昨季5打数3安打ですべて本塁打。前夜は同じ1死満塁で二ゴロ併殺打に打ち取られ「追い込まれていたのでコンパクトなスイングを心がけたので対応できた」と手応えを口にした。

▽巨人田中千(8回に登板し2試合連続ホールドをマーク)「僕は任されている場所を、自分の仕事をするだけなので。どこにいけと言われても同じ準備をするだけなので、どこでも大丈夫」

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