漫画のように擬音を付けるなら「ぐい~ん」だろうか。2回1死走者なし。DeNAトレバー・バウアー投手(32)がロッテ西川に投じた1球に、横須賀スタジアムがどよめいた。初球インハイの147キロでファウルを打たせた後の2球目、124キロのスライダーは内角から外角へ、文字どおり、ぐい~んと曲がった。あまりに曲がりすぎてボールとなったが、ファンの反応は正直だった。最後はカウント1-2から再び外へのスライダー。見送ればボールでも、タイミングを崩された西川のバットは空を切った。

5回、6回と失点が続き、7回93球、8安打9奪三振4失点だった。もちろん、単純な結果で判断されるレベルの投手ではない。「7イニング投げられたし、感触はすごく良かった」と納得顔でうなずいた。3回目の先発でイニングも球数も伸ばした。前回まではなかった攻めも見せた。右打者への内角直球。2回の西川がそう。「右打者には外が多かったけど、内角にもいけるか確かめたかった。良かったよ」と再びうなずいた。えげつない曲がりの変化球に目が行きがちだが、前段階の直球が生きた。球団のガンで最速153キロ。DHを使わず打席も経験(2三振)。状態は上向きだ。

順調にいけば、次はいよいよ1軍デビューだ。「準備はできてると思う」と心強い。5月4日広島戦(横浜)。首位を快走するチームで、サイ・ヤング賞右腕の真価が発揮される。【古川真弥】

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