中日が巨人に3試合連続逆転勝ちし、今季初の3連勝を決めた。3戦とも8回に勝ち越す粘り強さを支えたのはブルペン陣。先発投手に白星こそ付かないが、救援陣は3戦無失点と巨人と対照的な投げっぷりだ。3番手の田島が2季ぶりの白星、抑えのマルティネスが両リーグ最速の10セーブ目。5位巨人とはゲーム差なし。5月反攻の土台が固まってきた。

本拠地で巨人相手に同一カード3連勝。21年9月以来の宿敵3連勝に立浪監督はほくそ笑んだ。

「この3連戦は8回に相手投手陣が制球を乱して、チャンスをもらった。何であれ勝つことが一番大事。ラッキーな1勝になった」

この日も終盤に試合が動いた。先発高橋宏は6回までわずか2安打で三塁を踏ませなかった。7回に大城卓に先制ソロを浴びたが、その裏に同点に追いつくと、3日連続の「8回逆転劇場」がスタート。福、田島の2人が、1番梶谷からを3人で片付けて反撃を許さず、その裏の石川昂の決勝犠飛につなげた。

試合を締めたのは前日6日にキューバ出身選手として初の通算100セーブをマークした守護神マルティネス。岡本和、丸、代打吉川を9球で料理した。「いつもと変わらずに自分の仕事をすることに集中したよ。3連勝で本当にうれしい」とニヤリ。試合前練習中には投手陣からケーキで祝福された。ケーキには本人の似顔絵と「祝100セーブ」、さらに「亡命、ダメ、ゼッタイ」の一言も。昨季リリーフでコンビを組んだ同郷のロドリゲスが開幕前に失踪。亡命報道が出たことに絡めた仲間からの“残留要請”に両リーグ最速の10セーブ目で応えた。

白星こそつかなかったが奪三振をリーグ最多の32に伸ばした高橋宏は「後ろに回せば、絶対に無失点で帰ってきてくれる」とブルペン陣を信頼。この3連勝中、救援陣は無失点だった。5月は4勝2敗。借金5ながら5位巨人とのゲーム差は消えた。右肘違和感で離脱していたセットアッパー清水も再合流。立浪監督は「頼もしい福や、祖父江、田島も頑張っている。何とかしのぎ、しのぎ、もう少し点を取れるようにしたい」と反攻を見据えた。【伊東大介】