ロッテが開幕から31戦31通り目の先発布陣で連勝し、2位に浮上した。相手投手との相性や選手の状態を分析しながら打線を組む吉井監督流。ここまで21人が先発に名を連ねてきた。まさに環境で体の色を変えたり、擬態で防御する爬虫(はちゅう)類のような「カメレオン打線」が上位躍進の要因だ。指揮官は「いろいろなデータを見ながらいけそうな打順を組んでいるので、選手が良くやってくれている。ワシの手柄ではないです」とたたえた。

西武先発エンスに昨季2打数2安打の岡が先発起用され、2回にチーム初安打となる中前打で雰囲気を変えた。3回2死満塁では、ポランコが外角寄りのスライダーを長い舌ではなく手で捉えた。2点右前適時打で先制点に変えた。「福浦ヘッドや村田コーチの助言で下半身の使い方がうまくなったし、コンパクトなスイングに」と打撃論も変わった。6回には1軍昇格したばかりの“新種”池田が3戦連続スタメンに応え、相手暴投を誘発して追加点に変えた。

日本爬虫(はちゅう)類両生類協会理事長で体感型動物園「iZoo(イズー)」白輪剛史園長は「カメレオンは機嫌、威嚇、気温などいろいろな環境を自分の全身で感じて色を変えるんです」と説明。「舌で捕食するヒットマンですからバットでボールを捉えることと同じ部分もある。両目をそれぞれで動かして獲物を捕らえる動体視力がすごいんです。舌を矢のようにして標的に命中させる選球眼に優れているのでヒット連発です」と打者との共通項も見いだした。「色を変えるのが激しいのはパンサーカメレオン。舌が長くて攻撃力があるのはジャクソンカメレオン。カメレオン打線うれしいです」。爬虫類だけでなく「パ注類」(パ・リーグ注目種類)に期待した。

ケガ人が出ても1軍昇格の選手を即起用して勝利を重ね、4月は首位。ゴールデンウイークは1勝5敗1分けだったが、連休明け後は敵地で2連勝となった。首位バファローズのしっぽを追う。【鎌田直秀】