最高の母親孝行弾や!阪神佐藤輝明内野手(24)が同率首位で迎えた甲子園DeNA戦で6号先制3ラン、7号満塁弾を放ち、チームを25日ぶりの単独首位に押し上げた。7打点は自己最多。母の日に母晶子さん(51)ら家族も現地観戦する中、感謝の「7ラン」を決めた。チームは今季初の先発9人安打、9シーズンぶりの21安打で今季最多タイの15得点。4連勝で貯金を今季最多7に増やし、リーグ20勝一番乗りを決めた。

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飛距離136メートルのグランドスラムに甲子園全体がどよめく中、佐藤輝はダイヤモンドを回り終えると、バックネット裏後方へ両手を突き上げた。「家族が来ていたので」。母晶子さんが観戦していた座席に向けて、笑顔で感謝を表現した。

「いつも応援してくれるし、一番の理解者だと思っているので、感謝しています。母の日に見に来てくれた時に打てたので、よかったです」

4回、4番大山の押し出し四球で勝ち越した直後の2死満塁。2番手三嶋の浮いた146キロ直球をフルスイングした。虎党が待つ右翼席へ大飛球を運べば、総立ちの観客は今季一番級のお祭り騒ぎだ。

満塁弾は21年5月2日広島戦(甲子園)で野村から放って以来、自身2本目。「一番良い感触だったのでよかった」。この日は1回2死一、二塁でもDeNA平良の低めスライダーをすくい上げ、右翼席へ先制3ランを記録していた。1試合7打点は自己最多。今季22打点はリーグ最多タイ、7本塁打は同2位タイと一気にタイトル争いに加わった。

つらい時期、母にも支えられた。4月の打撃不振時、連絡を入れると自然体を貫いてくれた。「いつも通り『頑張れ』って言ってもらえた」。そっと見守ってくれている事実に勇気づけられ、懸命に状態を修正。試合中のコメントにも「お母さんいつもありがとう!」と感謝をにじませた。

岡田監督も完全に復調モードに突入した5番打者に納得顔だ。「満塁のあれで決まったようなもん。内容的に悪い打席はあるけど、これは3回に1回、ヒットを打てばいいという、バッターの宿命。すごく調子が上がっているし、ポイントがよくなって前でとらえられてる」。指揮官からも背中を押され、上昇気流に乗っていきそうだ。

チームは今季初の先発9人安打、9シーズンぶりの21安打で今季最多タイの15得点をあげた。4連勝で貯金を今季最多7に増やし、リーグ20勝一番乗りだ。「(DeNA3連戦の)1戦目で『絶対3連勝します!』って言ってできたので、うれしい。これからも積み上げていきたい」と佐藤輝。25日ぶりに単独首位に立った虎。アーチストの回復具合が何より頼もしい。【三宅ひとみ】

▼阪神佐藤輝が満塁本塁打を含む1試合2発で7打点。佐藤輝の満塁本塁打は21年5月2日広島戦(甲子園)以来2本目。1試合7打点は22年6月12日オリックス戦の6打点を上回る自己最多となった。球団記録の9打点(51年藤村富美男)には惜しくも届かず。阪神の打者が1試合に満塁と3ランの2発を放ったのは、97年4月8日横浜戦(横浜)の桧山進次郎以来26年ぶり。

 

▼阪神が21安打で15点を奪いDeNAに快勝。15得点は4月27日巨人戦以来。今季2ケタ得点は2度だけだが、ともに本拠地甲子園で達成した。

▼21安打は14年8月5日ヤクルト戦(神宮)で23安打して以来、9年ぶり。

▼先発全員安打は、22年6月25日中日戦以来。また毎回安打も22年9月1日広島戦(6回途中降雨コールド)以来。先発全員安打と毎回安打を同時に達成したのは同年6月2日西武戦以来で、舞台はいずれも甲子園だった。

 

 

▼阪神-DeNA戦は両軍各7人が複数安打を記録。両チーム計14人がマルチ安打を記録したのは、63年4月16日近鉄(6人)-南海(8人)戦、86年4月29日広島(7人)-大洋(7人)戦、93年5月19日ヤクルト(6人)-広島(8人)戦に次いで4度目の最多タイ。両チームとも7人以上は、86年広島-大洋戦以来37年ぶり2度目。

 

▼岡田監督は母の日に強い。前回阪神監督を務めた04~08年は4勝1敗。10~12年のオリックス監督時代はすべてBクラスに沈んだが、母の日は2勝1敗で勝ち越し。この日の勝利を加え、監督通算7勝2敗となった。

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