最後はやっぱりこの男が決めた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が今季初のサヨナラ打を放ち、首位ロッテに1・5ゲーム差に迫った。5-5の延長12回1死一、三塁。ロッテ8番手東妻の138キロを仕留め、一、二塁間を破った。「やっと(試合が)終わった」。一塁ベースを駆け抜けると長髪をなびかせながら、万歳ポーズで喜びを爆発させた。4時間10分の大激闘を制し、「本当に勝ててよかった。いい疲労がたまってます」と声を弾ませた。

引き分けムードも漂ったラスト攻撃は、先頭の1番中村晃が中前打で出塁。続く周東はきっちり犠打を決め、3番近藤は右前打で舞台を整えた。この決定機で4番のキャプテンがしっかり期待に応え、今季初めて3点差をひっくり返す逆転劇を完結させた。藤本監督は「ああいう場面で点を取ってくれるのが、4番の仕事。うちの主力ですね」と絶大な信頼を口にした。

試合前時点で、ホーム打率は2割1分5厘に低迷していた。だが、2回先頭の左前打でペイペイドーム18打席ぶりのヒットを放つと、4回にも右前打。12回の劇的打と合わせ、今季5度目の猛打賞と爆発した。通算打率も3割2分5厘に上げ、パ・リーグ唯一の3割打者がトップを独走中だ。

チームも本拠地でのロッテ戦は昨季から7連勝。交流戦前のラスト、首位相手の大事な戦いで初戦を取った。柳田は「今日の勝ちは大きい。上にいるチームをたたかないと、上にはいけない」ときりり。28日は、今季12イニング無得点に抑えられている佐々木朗と3度目の対戦。難攻不落の令和の怪物を撃ち、0・5差に詰め寄る。【佐藤究】

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