ソフトバンク有原航平投手(30)が「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦(神宮)で移籍後初勝利を手にした。6回を5安打1失点。3本塁打と打線の援護にも恵まれ、日本球界では3年ぶりの白星となった。右肩手術の影響でメジャーでは2年間で3勝に終わり、再起をかけてホークスに入団した30歳が、8カード連続の初戦白星を呼び込んだ。

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有原のルーティンワークに、ソフトバンク中田賢一4軍投手コーチ(41)は舌を巻いていた。NPB通算100勝の同コーチも、中日、ソフトバンク、阪神と渡り歩いた移籍経験者。「普通、移籍直後はどういう流れで練習をすればいいのか迷ったりする。僕もそうでした。でも有原は筑後に来た初日から自分のやることをマイペースにやってました。やっぱり実績がある投手は違うなって思いましたよ」。有原と話す機会は少なかったが、遠目で右腕の行動に着目していた。

当たり前の調整を当たり前にする。メジャーから日本球界復帰後も、2軍調整であっても謙虚に白球と向き合っていた。若鷹へのアドバイスは温和な表情でかつ優しく。これからもマイペースに白星を積み上げてほしい。【ソフトバンク担当=只松憲】

◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日生まれ、広島県出身。広陵3年時に甲子園春夏連続出場。早大ではリーグ戦通算19勝12敗、防御率2・72。14年ドラフトで4球団の1位指名を受け、日本ハム入団。15年は8勝で新人王。19年に15勝で最多勝。20年オフにポスティング制度でレンジャーズ移籍。右肩手術の影響などで2年間で3勝7敗、防御率7・57。今季ソフトバンクで日本球界に復帰した。推定年俸5億円。背番号17。188センチ、95キロ。右投げ右打ち。