DeNAが、交流戦初優勝へ望みをつなげた。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦の3回、佐野恵太外野手(28)が放った先制3点適時二塁打から2桁得点で大勝。

13日にチームに交流戦初Vの大号令をかけた三浦大輔監督(49)の下、引き分け以下なら巨人の9年ぶり優勝が決まる可能性があった一戦で打線が勝負強さを発揮した。今季1つ目の目標達成へ、18日はロッテ先発の佐々木朗を打ち崩す。

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寝不足のキャプテンが、交流戦初優勝へチームを加速させた。3回1死満塁で、3番佐野が左中間を破る走者一掃の適時二塁打。前夜の悔しさ、申し訳なさを打ち消すように二塁塁上で大きく両手を打ち鳴らした。「今日、やり返してやるんだっていう気持ちで球場に来た」。4番牧も適時打、5番宮崎は12号2ランと続いて一挙6得点。負けられない試合を一気に決める口火となった。

16日のロッテ戦は1点差に迫った7回2死満塁で凡退した。「自分が打っていれば、勝てるはずの試合だった」と責任を感じ、寝付けなかった。普段は「どんな場所でも寝られる」タイプだが、睡魔を制するほどの悔しさが残ったまま朝を迎えた。目を覚ますと「暑くてフラっとするぐらい」の睡眠量も関係ない。訪れたリベンジの機会を逃さず、目の覚めるような打球でチームを勝利に導いた。

寝られないほどの悔しさは「珍しい」という。こんな特別な思いは、目の前の勲章をチームでつかみたいからだ。交流戦初優勝-。13日の日本ハムとの試合前。三浦監督は選手を集めて「交流戦の優勝、全員で目指して、意識してやっていこう」と号令をかけた。

主将として、しっかり指揮官の言葉を受け止めていた。だから、佐野は勝負どころで打てずに負けて「悔しさは大きかった」。ただ、ふて寝はしなかった。「いつも通り打撃練習をして帰ったので今日につながったのかなと。もし練習せずに帰ってたら、打てていなかったかもしれない。これからの野球人生にもいい教訓になった」。交流戦優勝争いの中で、大事なことも学ぶことができた。

寝床でゆっくりと心身を休めて、18日に打ち崩しにいくのは佐々木朗だ。「打線で束になって戦っていきたい」。キャプテン佐野を中心に残り2試合全勝で交流戦初戴冠を果たし、悲願のリーグ優勝へつなげる。【木下大輔】

▽DeNA三浦監督(交流戦初優勝へ向けて)「佐野だけじゃないですけど、打てなくても次に向けて準備しているからこそ今日みたいなゲームができる。(18日も)勝つだけです。相手が誰だろうと関係なく、ですね」

▽DeNA牧(3回に左前適時打)「佐野さんがタイムリーを打ってくれたおかげで楽な気持ちで打席へ入ることができました」

▽DeNA宮崎(3回に12号2ラン)「前の打者の、いい流れに自分も乗ることができました」

▽DeNA戸柱(7回2死満塁で走者一掃の適時二塁打)「みんながつないで、つくってくれたチャンス。必死に食らいついていきました」

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