日本ハムと中日が2対2の交換トレードを成立させたことを19日、両球団から発表された。日本ハムからは宇佐見真吾捕手(30)斎藤綱記投手(26)と、中日は郡司裕也捕手(25)山本拓実投手(23)と捕手、リリーフ同士の交換。中日加藤球団代表は「実績のある中堅クラスの捕手と左腕投手は、当球団の補強ポイントでした。新戦力として、とても期待しています」とコメントを発表した。

中日は正捕手木下が14日ロッテ戦で右手甲を負傷。15日に「大菱形骨骨折」と診断され出場登録を抹消された。完治には数カ月とされ戦列復帰は不透明。正捕手の穴を埋めることが急務となっている。日本ハム宇佐見は今季開幕マスクをかぶったものの、打撃不振からファーム落ち。伏見、マルティネス、清水らの後塵(こうじん)を拝した。昨季はチームの捕手で最多の81試合に出場。捕手としての実績もあり、中日側から白羽の矢が立った。

投手陣も開幕直前にセットアッパー、ロドリゲスが再来日せず、亡命報道が流れるなどリリーフ陣への負担が増加。1軍中継ぎの左腕リリーフは福、上田の2人だけでブルペン強化も同時に図った。18日に日本ハム3連戦(バンテリンドーム)を終え、借金は最多16。新庄ハムに昨季から6連敗を喫したが、電撃的にディフェンス強化のトレードを成立させた格好だ。

日本ハムは、チーム打率が2割2分4厘と12球団ワースト。打者の層の厚みを強化すべく、郡司の良さでもある選球眼と、アマ時代に東京6大学リーグで3冠王にも輝いた打撃センスに注目した。今季1軍では1試合1打席止まりだが、2軍では33試合、2本塁打、10打点、打率2割6分1厘と成績を残している。また山本は身長167センチながら最速154キロをマークする豪腕。昨季は中継ぎで1軍30試合に登板し、防御率3・60と成績を残し、今季も14試合で投げた。先発、ロングリリーフまで対応できるスタミナを持ち、球に強さを持つユーティリティー右腕に新庄日本ハムが食指を動かした。

 

中日山本 ドラゴンズで5年半お世話になり、球団関係者、ファンの皆さまありがとうございました。新天地で活躍することが恩返しになると思うので、エスコンフィールドで躍動し、名古屋まで活躍を届けます。これからも応援よろしくお願いします。

中日郡司 中日ドラゴンズで3年半、応援していただいた、ファンの皆さまには本当に感謝しています。ドラゴンズでは結果が出せずに申し訳ない気持ちでいます。結果を出すことができませんでしたが、このトレードをきっかけに新天地で、心機一転頑張ります。名古屋の街も人もファンもチームメートも大好きです。これこらも応援よろしくお願いします。

 

◆宇佐見真吾(うさみ・しんご)1993年(平5)6月4日、千葉県生まれ。市柏、城西国際大を経て15年ドラフト4位で巨人に入団。19年途中にトレードで日本ハムに移籍。妻はももいろクローバーZの高城れに。昨季は自己最多81試合に出場したが、今季は通算300試合出場に到達したものの9試合無安打。2軍では32試合に出場し19試合でマスクをかぶり、打率2割5分5厘、3本塁打、16打点の成績を残す。181センチ、88キロ。右投げ左打ち。

◆斎藤綱記(さいとう・こうき)1996年(平8)12月18日、北海道生まれ。北照から14年ドラフト5位でオリックスに入団。22年にトレードで日本ハムに移籍した。オリックス時代にサイドスローに変更。今季はオリックス時代以来3年ぶりの勝利を挙げた。通算成績は62試合2勝1敗5ホールド、防御率6・44。182センチ、93キロ。左投げ左打ち。

◆郡司裕也(ぐんじ・ゆうや)1997年(平9)12月27日、千葉県生まれ。仙台育英、慶大を経て19年ドラフト4位で中日入団。出場機会を増やすために昨季から外野、内野にも挑戦したが、捕手陣強化から春季キャンプから捕手練習を再開させた。今季は6月途中に1軍初昇格も1試合1打席無安打で2軍降格。通算成績は73試合で打率2割0本塁打、7打点。今季2軍では33試合で打率2割6分1厘、2本塁打、10打点。180センチ、89キロ。右投げ右打ち。

◆山本拓実(やまもと・たくみ)2000年(平12)1月31日、兵庫県生まれ。市西宮から17年ドラフト6位で中日に入団。昨季は自己最多30試合登板をマークし、オフから体力強化を図った。今季はリリーフとして14試合0勝1敗、防御率5・54。19、20年には計12試合で先発登板している。通算成績は72試合に登板、6勝7敗4ホールド、防御率4・25。最速は154キロ。167センチ、80キロ。右投げ右打ち。