プロ注目で怪力の二刀流、太成学院大の田中大聖(やまと)投手兼外野手(4年)が近畿学生の「2番右翼」で出場した。

この日は、一ゴロ、三邪飛、見逃し三振とヒットは生まれず。4回には詰まった打球が打ち上がり、バットが折れ、三邪飛に倒れた。24日に関西学生との準決勝では投手としてマウンドに立った田中は「投手をずっとやっていたので、久々の打席は振れておらず、調整不足だった。来週からまた実戦が増えるので、もう1回自分の感覚を戻したい」と悔しさをにじませた。

2部リーグの太成学院大に所属する田中だが、2年続けて近畿学生の選抜メンバーとして出場。「楽しかったですね。レベルの高い選手がいて、モチベーション上がります。自分のレベルの足らなさを感じました」と振り返った。

二刀流を極める土台はふくれ上がった筋肉。スクワットは220キロを持ち上げる怪力。脚の太ももは70センチ、腕回りは40センチと筋肉の存在感も十分だ。

楽天の足立祐一スカウトは「力があって、シートノックでも肩が強いのはわかりました」と語る。

実は、昨年のオールスターが転機となった。同じ選抜メンバーで当時、大阪観光大の久保修外野手(現広島)から「上を目指したら」と背中を押され、プロを目指すきっかけになった。 大学通算6本塁打の田中にとって、運命のドラフトまであと4カ月。残された試合には「最後なんで結果を出したい。学生最後の野球で、仕事で野球できるかもわからないので。(卒業後も)野球ができるなら、そこにこだわっていきたい」と明かした。【中島麗】

◆田中大聖(たなか・やまと)2002年(平14)1月29日生まれ。藤井寺小2年時に小山ジャンボで三塁手。藤井寺第三中時代に、河南ジュニアで三塁手。高校は鶴岡東(山形)で投手として背番号18で夏の甲子園でベンチ入り。太成学院大では投手・内外野を守る二刀流。最速153キロで球種はカットボール、スライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。遠投120メートル、50メートル走は5・7秒。178センチ、95キロ。好きな有名人は、TWICEのモモ。憧れの選手は、糸井嘉男と吉田正尚(現レッドソックス)。