逆転二塁打で完全復活を宣言した。日本ハムの浅間大基外野手(27)が、1点を追う3回2死満塁で、右翼線に逆転の2点適時二塁打を放ち、4試合ぶりの勝利を引き寄せた。春季キャンプ中に負った左足の骨折から復帰した6月30日のオリックス戦から3戦連続安打で、この日は初のマルチ安打も記録。昨夏からコロナ禍と負傷が続き戦列を離れていた男が、ここからチームを勢いづける。

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長らくお待たせしいたしました-。新球場初のお立ち台に上がった浅間は、隣の郡司が披露したおちゃめな「両手マイク」ポーズを拝借。2万9779人の大観衆の笑いを誘うと「お久しぶりでーす」。昨年は7月にコロナ禍の影響で離脱し8月に右足を負傷。今季はキャンプ中に離脱しており「そろそろ忘れられてるんじゃないかと。早くここに来たかったでーす」と声を上げ、大喝采を浴びた。

鋭いスイングで復活を強くアピールした。3回2死満塁、オリックス先発山岡のチェンジアップを捉えた。「結構、焦ってましたけど、もう打つしかないなと心を決めて、1本出しました」。走者2人を返す貴重な逆転打になった。

不思議なやりとりが“お膳立て”になった。試合前の新庄監督の構想は「1番中堅」。練習時に指揮官から「1番は嫌い?」と質問された浅間は素直に「好きではないですね」とこたえた。出てきたオーダーは「6番中堅」。「昔から1番が多くて。投手の調子とか分からないので、あんまり好きじゃなかった。でも6番だったので、みんなの感じを見ながらやれて良かった」と感謝した。

鎌ケ谷でともに汗してきた仲間を、少しでも鼓舞したかった。2軍調整中は清水、今川、石川直、山田、宮内ら同学年4人と「俺たちの年代がもっと盛り上げないと」と、歯を食いしばり状態を上げてきた。「こんなところで終わっていい選手たちではない。まず僕が先にここにきたので、活躍しているところを見せて、みんなが早く上がってくるのを待ちたい。一緒に頑張りたい」と呼びかけた。

4日からのソフトバンク3連戦では背番号8を受け継いだ近藤と再会する。「やっと背番号をエスコンで見せられて良かった。近藤さんにも、ちゃんとやってるぞっていうところを見せられるように」。どんどん活躍して「8番浅間」のイメージを、ファンに焼き付ける。【永野高輔】

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