日本ハム郡司裕也捕手(25)が意地の一打を放った。

7回無死満塁の絶好機に代打で登場し、右前へ適時打を放った。目の前では仙台育英で同級生だったロッテ平沢がプロ初の1試合2本塁打。15年夏の甲子園で準優勝した盟友の大活躍に刺激を受け、負けじと結果を残して今夏も甲子園に出場して連覇を狙う後輩たちへエールを送った。チームは敗れて連勝がストップしたが、途中出場の郡司が8月最初の出番で存在感を発揮した。

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郡司は盟友の活躍をベンチから眺めていた。15年夏、ともに仙台育英で準優勝した同学年の平沢は6回までに2本塁打を含む3安打2打点の大活躍。ZOZOマリンのロッテファンを大きく沸かせていた姿を見て「(平沢)大河は今年なかなか苦しんでいたんですけど、今日爆発したので。負けていられない」と戦友の活躍を目の前で見て、闘志が燃えたぎっていた。

そんなベンチスタートの郡司に、チャンスが回ってきたのは7回だ。しかも、無死満塁という絶好の場面で8月の初打席。新庄監督はスタメンマスクをかぶる伏見の代打として送り出してくれた。カウント2-2で追い込まれるも、ロッテ西村からストレートをクリーンヒット。右前へ運ぶ適時打を放った。「この3連戦、出場がなかったので、個々でチャンスを絶対にモノにしてやろうという思いでした」と一塁塁上で大きく手をたたいた。

しっかりと存在感を出した郡司に、新庄監督も「素晴らしい。まさかあそこでね、真っすぐを。(追い込まれて)変化球も頭にあったと思うけど、素直に(バットを)ポンって出して、あの打球が打てるっていうことは本当にいいバッターですねえ」とチャンスをモノにした姿に感嘆した。

郡司は盟友の平沢と、この3連戦中に「(仙台)育英、強えな」と母校トークもしていた。夏連覇を目指す後輩たちは、この日の甲子園の組み合わせ抽選会で強豪・浦和学院(埼玉)と初戦で激突することに。「僕らだったら初戦に浦学ってなったらすごくビビりますけど、今の子たちは大丈夫だと思う。自分たちの野球をして戦ってほしいなと思います」と力強くエールを送った。【佐瀬百合子】

○…郡司が2年前の8月3日に亡くなった元中日の木下雄介さんを改めてしのんだ。「今日、ヒーローインタビューだったら、それを言おうと思っていました」と、この日が命日であることは頭に入っていたという。「雄介さんは、すごく野球に対する姿勢が素晴らしい方で。僕が2軍にいる時に、たぶん木下さんと交わした最後の言葉が『こんなとこに、お前はいちゃいけないぞ』って。2軍にいちゃいけないぞっていうことを最後に言われて、その思いをずっと秘めてやっているんで、頑張ってます」と、今でも変わらない木下さんへの思いを明かした。

 

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