DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、7回3失点の好投で9勝目を挙げ、2ケタ勝利に王手をかけた。7月27日中日戦から続けた連続無失点イニングは24回まで継続。6回に浜田の適時二塁打で自身25イニングぶりに失点したが、打線の大量援護も受け、チームの連敗を2で止めた。次回は中4日で20日の阪神戦(横浜)の先発が濃厚。首位阪神の背中を追いかけ、サイ・ヤング賞右腕がフル回転する。

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シーズン終盤の夏場に、バウアーが無尽蔵のスタミナを証明した。2試合連続の中5日での登板で打線から大量援護を受ける中、6回終了時で97球。次回登板は中4日で20日の阪神戦の先発が有力な中、7回109球を投げ切って、2ケタ勝利に王手をかける9勝目を挙げた。

「10はすごくいい数字だと思いますし、でも、もっと目標は高く、15勝以上したいと思っていますので、そこまでいけるように頑張りたいです」

原点である外角低めの速球でカウントを稼ぎ、緩急も自在に使い分けた。1回2死三塁では、村上をナックルカーブで空振り三振。6回2死二塁では、オスナにこの日96球目に最速となる157キロでファウルを打たせ、155キロの速球を続け、見逃し三振でピンチを脱出した。

前回登板2日後の11日の休養日には、両親とともに東日本大震災の被災地の福島を訪れた。津波に襲われた街、震災遺構として、一般公開される浪江町立請戸小学校などで震災の被害を目にした。「衝撃を受けた。元々の自分の故郷に住めないっていうことを思うと、とても胸が苦しい思いをした」と心情を吐露した。

日本式の配球やクイックなどを学び、グラウンド外では日本の文化に触れ、人間力を高める。「人として成長できる部分はあると思います。野球選手である前に人としての成長が何らかの形で野球選手としての成長にもつながるんじゃないかなと思っています」。広島では原爆ドーム、大阪では道頓堀などを訪れた。

チームの連敗を2で止め、勝ち星、奪三振でリーグ2位に浮上した。「最終的には沢村賞を取ることが目標なので勝ち数、イニング、三振で1位になりたいと強く思っています」と力を込めた。「次は土曜日に投げるつもりで準備します」。可能だと主張する中3日での登板に備えることを真顔で答えた。【久保賢吾】

○…伊藤が、自身2年ぶりの1号ソロでバウアーを援護した。1点リードの2回2死、ヤクルト小沢のスライダーを左翼席に運んだ。21年6月19日の広島戦以来、787日ぶりの1発に「追い込まれていたので、何とか出塁しようと。いい結果になって良かったです」と汗をぬぐった。三浦監督は「捕手が打つとリードもさえてくるし、非常に大きなホームランだった」と評価した。

▽DeNA三浦監督(バウアーについて)「良かったと思います。緩急を使いながら、相手を観察しながら、光(伊藤)と2人で攻めたと思います」