巨人坂本勇人内野手(34)がホットコーナーを固めた。

体調不良による特例抹消からの3試合ぶり復帰戦で「5番三塁」でスタメン出場した。遊撃手を代名詞にしてきた名手がプロ17年目、通算2081試合目にして初めて三塁の守備に就いた。人生初の“新境地”でも好守を披露。9回には勝利を決定づける17号2ランで抜群の存在感を示した。

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坂本が照れくさそうに仲間とハイタッチした。34歳で人生初三塁守備。ファーストプレーで同点の危機を救った。1点リードの4回2死二塁、ヤクルト・サンタナの三塁線への強いゴロに反応した。滑り込みながら捕球し、立ち上がって一塁に正確なワンバウンドスロー。同点打を防ぐプレーも「今日は比較的、難しいのは飛んできてないので、これからじゃないですか」とさらりと言った。ベンチで「ナイスサード!」と温かく迎えられた。

高卒2年目から15年間、「巨人の遊撃」を守り続けてきた。5月には球界史上初の遊撃での2000試合出場を達成。10年ぶりの遊撃以外でのスタメンに「そこで出るのが当たり前と思ってやってた」と日常だった。だが昨季は度重なる負傷に苦しみ、今季も右太もも肉離れなど、けがと隣り合わせだった。原監督は「少しいろいろなことを考慮して。彼にずっと離脱してほしくないし」と起用の意図を説明した。

坂本もチーム方針を受け入れ、難なくこなした。1日DeNA戦(横浜)の試合前練習から三塁での守備練習を開始。「チームの方針で動いているので、そこは何もなくいけました」と役割を全うした。投手陣へこまめに声かけし、遊撃門脇と三遊間の打球への打ち合わせも怠らなかった。

1点リードの9回1死一塁からは左中間席へトドメの17号2ラン。体調不良による特例抹消からの3試合ぶりの復帰戦を白星で飾った。「(景色は)全く違うものでしたし、慣れるまでに時間がかかりそうだなと。まあ、日々勉強じゃないですか」。「サード坂本」として力強い1歩を歩み始めた。【小早川宗一郎】

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