DeNA東克樹投手が、今季3度目の完投勝利でリーグ独走の13勝目を挙げ、チームの連敗を3で止めた。

中5日の先発で広島遠藤と投手戦を展開。テンポ良く、ストライク先行の投球で攻め、8安打を浴びながら最少失点に抑えた。「連打、四球でつながれないように意識した。全球種をうまく投げられた」と充実した表情で話した。

球団史に名を刻んだ。6月1日の楽天戦から自身9連勝。球団の左腕では93年野村弘樹に並び、最長で30年ぶりの快挙を達成した。「(記録は)意識してないので、次も勝てるように」と意に介さなかったが、最多勝争いでは2位の広島床田、DeNAバウアー、巨人戸郷に3勝差をつけ、最高勝率とともにタイトル獲得にも大きく近づいた。

妻から贈られた験担ぎが、勝利を呼び込む。疲れがたまり始めるシーズン後半戦に入ったころ、「やってみて」と生活雑貨の専門店でも販売される「おきよめのスプレー」をプレゼントされた。「それをやってから勝ってるんで」とこの日の試合前にも20年にトミー・ジョン手術を受けた左肘、左肩、頭にかけ、マウンドで快投した。

チームの苦境を救う投球だった。広島に連夜の延長戦でサヨナラ負け。リリーフ陣も疲弊する中、無四球で9回を投げた。「7回が終わって、監督、コーチが来なかったので察して」と覚悟。「8、9回は気合で投げた」と汗をぬぐった。2位広島に5ゲーム差に迫って、CS争いを繰り広げる4位巨人とは2ゲーム差を死守した。【久保賢吾】

 

▽DeNA三浦監督(13勝目を挙げた東に)「最初から最後まで安定した投球だった。ストライク先行でゲームをコントロールしていた。次は10連勝を目指してやってもらいたいです」