プロ注目の最速152キロ右腕・津田淳哉投手(4年=高田商)が9回5安打2失点と好投し、延長10回での勝利を呼び込んだ。

直球は140キロ台前半ながら変化球を織り交ぜ、龍谷大打線を抑えた。1-0の5回に四死球から味方の失策やスクイズで2点を失って逆転されても、崩れなかった。同点の9回は2死三塁から真っすぐと緩いカーブで追い込み、最後はスライダーで空振り三振。サヨナラ負けのピンチを切り抜け、直後の味方の勝ち越しにつなげた。

「相手が完全に真っすぐしか狙っていなかったので、しっかりバッターを見ながらキャッチャーと相談しながら投げれたのが成長できた。いつもよりスピードがあまり出ていなかったんですけど、それでも9回を通して真っすぐで押せたので質は良くなっていると思います」

阪神などでコーチを務め、今年から就任した高代延博監督(69)は春との違いを力説した。「真っすぐの質と角度が春と違う。あとはフォークボールがいいね。それと何よりいいのが、ストライク先行するコントロールがいい。春みたいに球が高く浮いてフォアボールがきっかけでというのがあったけど、それがなくなってきた」。さらに「この先の進路のことを考えるといいアピールをしたんと違うかな」と続け、目尻を下げた。

すでにプロ志望届を提出すると明言している津田に対し、この日は阪神と巨人が視察。巨人の桜井スカウトは「うまく緩急を使って投げている。コントロールがいいし乱れることないので、先発でゲームを作れる。試合で投げながら調整している」と評価した。

津田自身も春から成長を遂げた姿をマウンドで表現でき、自信を深めた。

「春は前半で体力がなくなって後半に打たれたり投げきることができなかったので、そういうところはいいアピールができた。150キロ以上投げたい気持ちはあるんですけど、その前にまずバッターと対戦。バッターにどう打たれないかを考えながら投げています」

そう冷静に114球を振り返った。【林亮佑】