メジャースカウトの熱視線を受けながら、DeNA今永昇太投手(30)が節目を刻んだ。1回にブライトからスライダーで空振り三振を奪い、歴代8位のスピードで通算1000奪三振を達成。「応援してくれたファンの方や家族に感謝を示す数字。これからも1つずつ積み重ねたい」と、その後も8回7安打1失点、11奪三振の快投。8勝目は逃したが、インパクト十分の投球だった。

米国では6日にMLB公式サイトで今永が今オフにもポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していると報じられた。注目度の高さを示すように、この日はヤンキースやメッツなど10球団、25人以上のスカウトが集結。カブスは編成トップのホイヤー編成本部長が来場する中でも「関係なく、自分の普通の力を出せた」と言った。

周囲の評価を高め続けた第1歩のプロ初奪三振も鮮明に記憶する。プロ初登板した16年3月29日巨人戦(横浜)。「1番の長野さんから三振を奪ったのは一番初めの三振なんで、忘れることはないです」。今でも、ふとしたタイミングで思い返す。「インコースの(捕手が)構えた(場所への)ボールじゃなくて、高めにいってしまったボールで空振りを取ったなぁって」。そこから積み上げてきた1010個の三振とともに、実力も磨き上げてきた。

ただ、チームは25年連続でV逸が決まった。「後半戦は自分が勝ったとか、いい投球をしたとかは関係ない。自分が投げた試合で(チームが)どうだったかがフォーカスされる。少しでも貯金をつくれるように」。ここからも下克上の中心として、最後までフル稼働する。【木下大輔】

▼通算1000奪三振=今永(DeNA) 13日の中日22回戦(横浜)の1回、ブライトを空振り三振に仕留めて達成。プロ野球156人目。球団では9人目。初奪三振は16年3月29日の巨人1回戦(横浜)で長野から。通算983回1/3での到達は史上8位のスピード記録。球団では斎藤隆の1175回を上回る最速となった。