国学院大が、春日本一の青学大に競り勝ち、2勝1敗で勝ち点を挙げた。

8回2死二塁。それまで好投を続けた最速153キロ左腕、武内夏暉投手(4年=八幡南)に交代を告げにマウンドに駆け寄った鳥山泰孝監督(48)は、思わず「ありがとう」と口にした。「この3試合、武内は見事にやってくれた。十分すぎるくらい期待に応えてくれた」と、温かな目で武内を見つめた。

それは、東都NO・1左腕と言うにふさわしい投球だった。2回、1点先制を許しなおも1死一、二塁でマウンドに上がると、この日最速146キロの直球と変化球で緩急をつけ、ピンチを断った。6回1/3を3安打無失点で強力打線を封じ、逆転劇を呼び込んで今季初勝利を挙げた。試合後、青学大の安藤寧則監督(46)は「武内君が本当によかった。素晴らしい投手」と、敵将も絶賛する投球だった。

昨秋のリーグ優勝に貢献し、エースとして成長を続ける。「マウンドでの落ち着き。走者が出ても、カウントが悪くなっても冷静に投げられている。徐々に成長している実感はあります」と、手応えを口にした。

今年、東都にはドラフト上位候補と言われる好投手がひしめく。武内は「全員スゴイ。でも、その中の1番になれるように秋のリーグ戦の結果で示したい」と、さらなる成長を誓った。

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