サイ・ヤング賞右腕が「Ready Go」だ。右股関節付近の筋肉を損傷し登録を抹消されていたDeNAトレバー・バウアー投手(32)が、14日開幕のCSファーストステージから復帰濃厚となった。11日、横浜スタジアムで故障後3度目となる実戦形式の打撃練習に臨み、5回想定で98球を投じた。のべ24人と対戦し安打性の打球は5本、4四死球3奪三振、最速は151キロ。登板後は「コンディションは100%」と完調宣言で、三浦監督も「CSに間に合うと思います」とゴーサインを出した。

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バウアーが満を持してCSのマウンドで復帰する。8月30日阪神戦(甲子園)で負傷した「右腸腰筋遠位部損傷」の故障明けから3度目のライブ打撃練習で、三浦監督ら首脳陣が見守る中、98球の熱投を披露した。アンバギーから三振を奪うと、代名詞の「刀ポーズ」も飛び出すなど気合十分。「コンディションは100%だと思っています」と万全を強調した。

サイ・ヤング賞投手は根っからの負けず嫌いだ。全治1カ月以上のケガで先の見えない状況にも「もう1回、ファンの前で投げるんだ」と奮い立った。驚異的な回復力と懸命なリハビリで、1日に故障後初の打撃練習に登板。その後は6日、この日と同練習を行い、シーズン同様「中4日」でマウンドに上がり続けた。ただ試合から約1カ月半も遠ざかり、実戦勘を不安視する声には、「それは皆さんの目で実際の試合に足を運んでいただいて、確かめてください」と自信の裏返しか、不敵な笑みを浮かべた。それを聞いた三浦監督も「心強いです。どこで使うかは言いませんよ」とニヤリと笑った。

CSでは「先発でもリリーフでも、『行け』と言われたところでベストを尽くす」とフル回転するつもりだ。チームは主将の佐野を右有鉤(ゆうこう)骨骨折で欠く非常事態が続く。リーグ3位からの今季スローガンの「横浜頂戦」へ-。バウアーは「試合に負けるのは本当に嫌ですし、プレーオフで負けるのはもっと嫌なので」。不屈の男が「執念」を自らの背中で体現していく。【黒須亮】

 

○…三浦監督がCSに向け、打線の手応えを口にした。広島は第1戦で左腕の床田、2戦目は森下が先発予定。この日の打撃練習ではバウアーと左腕坂本が登板し、牧や林、蝦名らがヒット性の打球を連発した。三浦監督は「良い調整になったと思います。左投手を打てたっていうのは良かったですね。良い雰囲気になってきたと感じています」と充実の表情だった。