広島新井貴浩監督(46)が短期決戦仕様の采配を振る覚悟を示した。ファーストステージでは、早めの継投と積極的な代打策で突破を決めた。18日からのファイナルステージは最長6試合あるが、超攻撃的タクトを貫く。この日、敵地甲子園入りした指揮官は「普通にやっていては厳しい戦いになると思う。展開によっては、リスク上等でめちゃくちゃにやらないといけない場面が出てくる」と言い切った。

1年を通してほぼスタメンを固定した阪神に対し、広島は117通りのオーダーを組んだ。対戦成績は9勝15敗1分けと負け越し、11・5ゲーム差をつけられた。監督通算666勝の敵将に対し、新井監督はまだ1年目。「経験豊富な百戦錬磨の監督だと思うので、胸を借りるつもりでぶつかっていきたい」。レギュラーシーズンでは初戦先発の村上のほか、伊藤将や大竹も苦手とし、計10勝を献上した。だが、いい形で得点できれば、逆に勢いづく材料となる。ファーストステージ同様、先発タイプの投手をブルペンに待機させ、初戦から早めの継投で接戦に持ち込みたいところ。新井監督は地元ファンに「高校球児のように戦ってきたい」と約束した。4年連続Bクラスから一気にシリーズ出場権獲得へ。ドラマさながらの“下剋上球児”を演じ切る。【前原淳】