阪神岡田彰布監督(65)が「新井イジリ」で宣戦布告だ。「2023JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージが18日に甲子園で開幕する。対戦する広島新井貴浩監督(46)は高校野球さながらのガムシャラスタイルでファーストステージを突破。岡田監督は「高校野球やろ。金属バットはアカンで!」と挑発しながらも「普通にやるよ。勝って勢い止める」と王者の野球で受けて立つ。

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リーグ優勝から1カ月以上待ったCSの舞台にも岡田監督は落ち着いていた。「(気持ちは)高まってない。高まってもしゃあないやろ」。本拠地甲子園で迎えるファイナル初戦。相手はファーストステージを2連勝で突破した広島だ。新井監督は高校野球さながらの泥臭いスタイルで挑んでくる。虎の指揮官は不敵な表情でイジった。「高校野球する言うから金属バット持ってくるんちゃう? おーん。金属バットはアカンで!」。勢いに乗る相手に、強烈な「口撃」を見舞った。

同じ土俵には乗らない。高校野球に対して、貫くのは王者の野球だ。「ミーティングの時にみんなに言うたよ『何やってくるか分からん』言うてな。短期決戦で勝ってきたら、そら勢いはあるよ」。ファーストステージは2戦ともフェニックスリーグ視察の宮崎でタブレット端末を使って、戦いぶりを確認した。三盗、スクイズなど短期決戦用の戦い方を仕掛ける新井監督に警戒心は見せた。それでも戦い方を変える考えはない。「受けなしゃあないやんか。受け身にならんようになんかできるわけないやんか。オレは受けるよ。同じようにやらへんよ、野球を」。王者として不動のオーダーを組み、成長著しい村上を先発に起用。横綱野球で堂々と受けて立つ。

前日練習は岡田監督の発案で昼間から夜間に変更。ナイター照明をつけた甲子園で、午後6時からノックを行った。最初の5分は高々と飛球を上げ、甲子園独特の風もチェック。「風もだいぶフォローになってるな。全然違うな」。右翼から左翼への浜風ではない秋風を感じ、久しぶりの夜の打球の見え方も確認した。「やれることはな」と準備は整った。あとは「勝って勢いを止める」だけ。短期決戦もブレない岡田野球で、下克上は許さない。【石橋隆雄】

【阪神岡田監督の広島新井監督いじりアラカルト】

▼「新井が赤いネクタイしてたから。黄色にしていかなあかんかな思って」 昨年10月16日の岡田監督の就任会見でネクタイの色を問われ、4日前に就任会見を実施した新井監督の服装をサラリといじった。

▼「僕は迷惑しましたけどね」 開幕直前の3月26日放送のNHK「サンデースポーツ」のセ・リーグ監督座談会で、08年に阪神で監督、選手として戦ったことの話題に、岡田監督がこの言葉を発した。08年は阪神が首位を独走するも、主力だった新井が北京五輪で腰を疲労骨折。その後最大13ゲーム差をひっくり返され巨人が優勝し岡田監督はその年限りで辞任。

▼「明日まずはお前、新井(監督)を激励せなあかんやろ。顔色悪なってそうやから」 8月15日からの敵地広島3連戦前の14日に、6連敗中で8ゲーム差まで開いていた2位広島の指揮官に「岡田節」で“エール”を送った。

▼顔面パンチ 阪神、広島、DeNAのCS前日会見で、甲子園からリモートで参加していた岡田監督がDeNA三浦監督とのスリーショットの写真撮影時に、画面越しで新井監督に“左ストレート”で先制パンチを食らわした。

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