今度は俺の番! 阪神佐藤輝明内野手(24)がCSファイナルステージ初戦前日の17日、甲子園でナイター練習を行った。午後4時30分から始動。同4時50分ごろから点灯したナイター照明のもと、フリー打撃では36スイングで2連発を含む9本の柵越えを放り込んだ。左打者泣かせの浜風ではなく、センター方向へフォローの秋風が吹く本拠地で、全て右翼スタンドにぶち込み、広島戦の予行演習を完了させた。「しっかり気合入れていきます」。鼻息荒く決戦の時を待った。

発奮材料があった。前日16日、ロッテ安田がソフトバンク戦(ZOZOマリン)で、CSファーストステージ突破を決めるサヨナラ打。1月にソフトバンク柳田との合同自主トレで、一緒に汗を流した後輩の活躍に刺激を受けないはずがない。

「あの場面で打てるのはすごいなと思いました。盛り上がりましたね。面白かったです」

試合中継をチェックしていたという背番号8は、興奮気味に言った。「昨日(ロッテ-ソフトバンク戦)もそうですけど、ホームでできるのは大きなアドバンテージだと思う」。次は自身のバットで甲子園を大熱狂させるイメージを、明確に頭に描いている。85年以来38年ぶりの日本一へ、まずは最初の関門を突破してみせる。

相手先発九里には今季、9打数無安打に封じられている。「相手もいいピッチャーなので、甘い球を1球で仕留められるかが大事っすね」と攻略の鍵を挙げた。9、10月は打率3割5分6厘、9本塁打、29打点でフィニッシュ。15日のみやざきフェニックス・リーグ日本ハム戦でも本塁打を放ち、甲子園に帰還した。好調の今、天敵右腕にやられっぱなしでは終わらないはずだ。「球を動かしてきて打ち損じることが多かったので、そこはしっかり考えていきたいです」。打ちまくってポストシーズンでもヒーローになる。【中野椋】

◆阪神佐藤輝とロッテ安田の自主トレ 1月にソフトバンク柳田との広島・呉市内での合同自主トレに参加。佐藤輝は球団OB糸井嘉男氏を介して初参加し、安田は21年1月に初参加してから3年連続での参加となった。日本ハム清宮、楽天安田ら同世代の若き左の大砲によるドリーム競演が実現。柳田のようなパワフルな打撃を目指し、若手陣はバットを振り続けた。

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