阪神近本光司外野手(28)がダメ押しの2点適時打を放ち、勝利をグッと引き寄せた。村上のタイムリーで勝ち越した直後の5回1死二、三塁。「全部決め球のような感じだった」という広島九里の外角へ逃げる132キロ変化球を捉えた打球は、前進守備の二遊間を突破して中前へ。一塁ベースを回ると、自軍ベンチに向かって両手の拳を突き出した。クールな男が珍しく感情をさらけ出した。

「下位打線からつくってくれたいい流れに、うまく乗ることができました」

岡田監督から「(初戦の)1回の裏、先頭の近本が塁に出たら勝てると思う」と注文されていた第1打席は強い打球を放つも一ゴロ凡退。その後先制され、よぎった嫌なムードをここぞの場面で一掃した。リーグ1位の得点圏打率3割7分4厘を誇る勝負強さを発揮し、直後に二盗も決めた。

シーズン同様に淡路島出身の後輩をもり立てた。今季、村上先発時は74打数21安打の打率2割8分4厘、1本塁打、8打点と打ちまくった。「(村上は)すごい緊張してるなと思ってた。でもしっかり試合をつくってくれる。頼もしくセンターから見てます」。右腕のV打には「エラーやろ」といじりつつ、「村上がしっかり打ってくれたので、僕も気楽に入ることができました」。大事な一戦で、淡路島コンビの強い絆が光り輝いた。【古財稜明】

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