中日が25日、ドラフト会議でENEOS・度会隆輝外野手(21=横浜)を1位指名することを公表した。都内での編成会議終了後、立浪和義監督(54)が度会1位を発表。2年連続最下位に沈んだ攻撃力アップへ、ヤクルトでユーティリティー選手として活躍した博文さん(51)を父に持つ社会人NO・1野手に白羽の矢を立てた。現状1本釣りの様相だが、競合した場合は立浪監督がくじを引く。

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ドラフト前日の編成会議を終えた立浪監督が、1位度会を公表した。「いろいろ討論した結果、決まりました。今年も点が取れず、非常に苦しい戦いをした。たくさんいい投手もいるので当然ほしいですが、1位は度会でいくことが決まりました」。

180度の方向転換だった。19日に指揮官が「1位は投手が基本線」と明言。国学院大・武内夏暉投手(4年=八幡南)、中大・西舘勇陽投手(4年=花巻東)ら即戦力投手の1位指名が有力とみられた。だが投手は競合必至な状況も鑑み、12球団最低の390得点で2年連続最下位に沈んだ貧打打開を最重要視。社会人NO・1外野手と評される俊足、強打が売りの度会1位指名を決断した。

同じ右投げ左打ち野手の指揮官の評価は高い。「ドラフト選手の中で、打者として技術的に1つ抜けてる選手。ミートする能力が高く、長打も打てる。スイングスピードも非常に速い」。度会は外野手登録ながら、内野守備にも挑戦中。10日のDeNAとの練習試合(横浜)ではスタメン三塁で出場して守備を無難にこなし、父博文さんばりのとユーティリティーぶりをアピールした。その試合を立浪監督も極秘視察し、最終決定に至ったもようだ。

今季の中日の外野陣は岡林、大島、細川が中心だったが、ビシエドの衰えもあり、細川の一塁転向も計画している。立浪監督は「(度会は)基本は外野手。三塁や二塁も練習しているというので」と内野起用も示唆した。1位未公表の球団もあり、競合する可能性もある。立浪監督は「(クジは)引きます」ときっぱり。ウエーバー順で早々にクジ引きできる利点を生かし、金の卵を引き当てる。【伊東大介】

◆親子指名 中日が1位指名を公表したENEOS・度会は、父博文さんが中央学院大時代に内野手でヤクルトから3位指名を受けている。親子指名は18年オリックス1位の太田椋内野手(天理=父暁さんが88年近鉄6位)以来で、育成ドラフトを除くと過去16組ある。