阪神岡田彰布監督(65)が27日、38年ぶりの日本一を誓った。28日に開幕する日本シリーズを前に、チームは京セラドーム大阪で最終調整。オリックスとの戦う関西対決に向け「やっぱり勝ついうことやろ」と力強く85年以来の日本一奪取を宣言した。「普通の野球」でシーズンとCSを勝ち上がったが、日本シリーズは「特別な」戦いと位置づけ、予告先発で先陣を斬る村上頌樹投手(25)を“探偵役”に指名。運命のプレーボールは午後6時30分だ。

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岡田監督は日本シリーズ開幕前日の監督会議で、終始温和だった。だが、最後の練習を見守った後は表情が一変していた。「(気持ちが)高ぶったよ。そら」。注目度マックスの59年ぶりの関西シリーズへ、戦闘モードにスイッチオンだ。

会見では阪神ファンに向け「何戦やるかわからないけど、最終的にはいい報告をできるように」と表現した。改めて囲み取材で問われると「いい報告いうことは、やっぱり勝ついうことやろ」ときっぱり。シーズン中の「アレ」と同じく「日本一」の言葉を出さずに、自身が主力だった85年以来の頂点奪取を宣言した。

オリックスは6月の交流戦を3試合戦い1勝2敗だった。「分っからへんよ! はっきり言うて」と苦笑い。4カ月前とはチーム状態も違うはずと分析。全体ミーティングではナインに向け「探っていこう」と呼び掛けたという。そしてにやりと笑った。

「どこに投げたら打たれへんっていうのが分からんわけやから。探りを入れるには一番いい投手やで、って村上には言うたけどな」

第1戦予告先発の村上は今季、144回1/3でわずか15与四球と抜群の制球力を誇る。変化球も多彩で、内角、外角、高め、低めと自在に操れることから、個々の好不調や得意不得意なコース球種を探るにはもってこいとのご指名だ。まさに相手打線の現状をあぶり出す“探偵役”。これぞ岡田流の日本シリーズ戦法だ。

「普通の野球」で圧倒的なリーグ優勝を飾った。広島とのCSファイナルも無傷の3勝で突破した。だが、指揮官は「今回は普通通りになんかでけへんて」とCS以上の重圧を覚悟。「相手も分からん。みんなほとんど初めてや。そんな特別な場所で野球できるんやから」。前回14年のソフトバンクとの日本シリーズを経験した現役は梅野だけ。暗示もかけてナインのベストパフォーマンスを導く。

前回指揮を執った05年、ロッテとの日本シリーズは4連敗。トータルスコアが4-33の完敗だった。「いや、もう前回のことは忘れているんでね。1年間の総決算として、思い切り戦いたい」。ポジティブ思考でいざ出陣。日本一のチャンピオンフラッグをつかみ取る。【石橋隆雄】

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