阪神先発の伊藤将司投手が、オリックス打線につかまった。5回5安打4失点。今季、レギュラーシーズンでは甲子園で登板した全9試合でクオリティースタート(6回以上自責点3以内)をマークしたが、大一番で崩れた。「自分のミスから流れを悪くしてしまい、申し訳ないです」。

悔やんだのは1点リードを許した5回1死一塁。犠打を試みた投手・東の投手前の打球を処理し、二塁へ送球したが悪送球となった。「握り損ねた感じです。あそこのミスが一番の原因かなと思います」。今季守備率10割を誇った左腕に失策がついた。守乱もあり、この回3失点。4回に頓宮に浴びた同点ソロも「ちょっと内に入った」と反省した。

初の日本シリーズでも、いつもと変わらない半袖スタイルで臨んだ。気温20度を下回る中、「半袖の方がプレーしやすいんですよ」というこだわりを貫いた。序盤は3回まで1安打無失点ピッチング。初回に3番森に安打を許したものの、立ち上がりはほぼ完璧だった。

それだけに岡田監督も「バント1つ、アウトにしといたらええのにのお」と嘆いたが、「強引にいったあれじゃないから、ゲッツーとれるバントになったわけやから、それは紙一重よ」と責めることはなかった。伊藤将は「次の機会があればしっかり投球したい」。集中力を切らすことなく、リベンジの機会があれば全力を尽くすのみだ。【中野椋】

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