決戦の日曜日よ。岡田阪神がオリックスに逆王手をかけられた。エース山本由伸投手(25)に日本シリーズ記録の14三振を献上して9回1得点の完投負け。3勝3敗のタイに持ち込まれた。泣いても笑って今年ラストゲームとなる第7戦。岡田彰布監督(65)は改めて総動員で大一番に臨む決意を語った。

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逆王手をオリックスにかけられた岡田監督はサバサバとした表情だった。「まあしょうがないやんか、そんなもん。3勝3敗になったんやから」。勝った方が日本一の第7戦、先発は今季開幕投手の青柳に託す。 「期待っていうか、投げる以上は全力で抑えにいくだけやんか。1年間途中抜けたけど投げとったピッチャーやから。ま、よかったやん。投げれて」

今季8勝6敗。昨季まで2年連続セ投手3冠だけに物足りない数字だが、経験豊富な変則右腕が先陣を切る。京セラドーム大阪は今季の開幕戦勝利を含め通算8試合で5勝1敗。防御率1・66と得意にしている。オリックス戦は過去2戦1勝0敗で12回無失点と好相性を買った。

この日もベンチ入りした伊藤将もロングリリーフで待機。登板のなかったブルペン陣も2日間休養と万全の態勢でそろう。「総動員てベンチ入ってるもんは、そら使うよ」と総力戦で挑む。決めにいった第6戦は4失点の先発村上を5回で諦め、6回からは第2戦で先発した西勇を投入。ラスト第7戦も短期決戦モードのスペシャル起用法で挑む。

打線は来季メジャー挑戦が有力視されている山本に9回1得点。9安打は放ったが、シリーズ記録の14奪三振を食らった。「最初はようなかったみたいやろ。ホームランのあとやな。最初に崩したいよな」と歯がゆさをにじませ、2回ノイジーの先制ソロのあと1死一、三塁の好機を生かせなかったことを悔やんだ。

球団では過去3勝3敗となったシリーズで2度とも負けている。64年の御堂筋シリーズではスタンカに2試合連続完封を許して南海に敗れた。03年の星野阪神はダイエーの新人左腕和田に完投負けしている。いずれも第6戦で逆王手をかけられた試合だ。オリックス先発は第2戦で6回無失点と抑えられた左腕宮城。運命を握るラストゲーム。岡田阪神が球団史を塗り替える。【石橋隆雄】

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