大リーガーが見た「名将」とは…。「関西シリーズ」の激闘を終えたオリックス中嶋聡監督(54)と日本ハム時代にともにプレーし、今も慕うパドレスのダルビッシュ有投手(37)がオンラインインタビューに応じ「監督・中嶋聡」について語った。ダルビッシュが感じた中嶋監督の戦い方とは…。【磯綾乃】

-今年のWBCあたりから連絡を取り始めた

自分が(連絡先を)聞いたと思います。たまに「宇田川がこんなことしてる」とか「誰々がこうや」みたいな連絡が来たりしていました。シーズン中も宇田川君のことを言っていました。「あんまり今調子が良くなくて」と。2軍に行ってちょっと良くなかったんですよね。その時に「宇田川がちょっと苦しんでるから」みたいなことを言っていました。「もどかしい」みたいに。

-ダルビッシュさんはどう返した

みんな調子悪いことはありますし、いい球投げてても不運が重なって打たれることもあると思う。「そのうち良くなりますよ」ぐらいだったと思います。

-ちなみに、宇田川君が連絡を控えていたけど、誕生日の時に連絡して返ってきてすごくうれしかったと

えー。最初連絡してたのに、全然連絡くれなくなっちゃったから、もうWBCの時だけで、そのあと僕のこと忘れちゃったのかなと思って、すごい寂しかったんですけど(笑い)。

-3連投させないなど、中嶋監督の選手を大切にする戦い方は

どんどん選手ファーストになっていくと思うので。アメリカがそうなっていきましたし。選手の体を守る、人の体を守るというのはすごく大事なことだと思う。いろいろ言われることもあると思うんですけども、自分はそういうやり方は、すごく好きですね。

-いろんな監督と接してきた中で、監督の中嶋さんはどういう監督だと

試合自体を見ているわけじゃないので、なんとも言えないんですけど。でもやっぱり、3連覇したってなると、僕は言いたくないですけどもう…名監督と言わざるをえないんじゃないですか(笑い)。ほんとは言いたくないですよ、これはもう。中嶋さんには言わないでほしいんですけど(笑い)。

◆中嶋聡(なかじま・さとし)1969年(昭44)3月27日生まれ、秋田県出身。鷹巣農林から捕手として86年ドラフト3位で阪急入団。97年オフにメジャー挑戦を表明したが条件が合わず、FAで西武移籍。03年に横浜、04年に日本ハム移籍。46歳の15年に現役引退。実働29年は工藤公康、山本昌に並ぶプロ野球記録。通算1550試合、804安打、55本塁打、349打点、打率2割3分2厘。ベストナイン、ゴールデングラブ賞各1度。16年から日本ハムのGM特別補佐としてパドレスに派遣され、18年に1軍コーチ復帰。19年からオリックス2軍監督。20年8月、西村監督の辞任後に監督代行。21年から正式に監督となった。22年正力賞。

◆ダルビッシュ有(ゆう)1986年(昭61)8月16日生まれ、大阪府出身。東北2年春から4季連続甲子園に出場し、2年夏準優勝、3年春の熊本工戦ではノーヒットノーランを達成。04年ドラフト1巡目で日本ハム入団。最優秀防御率2度、最多奪三振3度、リーグMVP2度、07年沢村賞。08年北京五輪代表。09、23年WBCで世界一メンバーとなる。11年オフにポスティングシステムによりレンジャーズに移籍。以後17年途中にドジャース、18年カブス、21年パドレスへそれぞれ移籍。13年最多奪三振、カブス時代の20年に日本選手初の最多勝。196センチ、99キロ。右投げ右打ち。

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