井端ジャパンが初陣からチーム内バトルを演出する。

侍ジャパン井端弘和監督(48)が9日、練習試合巨人戦(10日、宮崎・清武)のスタメンを公表した。「勝ち負けというものには、あまり意識がない。状態を見極めることができたらいい」。宮崎キャンプ第1クールで実力、コンディションを見極め、ラインアップにそれぞれ抜てき。井端監督の狙いが随所に表れた。

激しい競争を1番から促した。藤原は今キャンプで株を急上昇させた1人。「藤原の状態がいいので多く見たい。非常に期待感を持てる打撃をしている。ほとんど的確に捉えているし打球の勢い、質はすごく良かった」。岡林と並べ侍の新リードオフマンを育成。クリーンアップ候補は猛虎組を中心に繰り広げられる。3番は森下VS小園、5番は佐藤輝、秋広、万波の三つどもえ。日本シリーズを戦い抜いた森下、佐藤輝の2人を評価した上で「3番と5番という(固定概念)を1回外す。他の選手が良ければそこに当てはまる。この2試合で決めようと思います」。阪神組は12日広島戦で起用して競争を促進する。

このバトルの先に、最高の布陣が見えてくる。コーチとして金メダル獲得を支えた東京五輪での「8番村上」を回想。「裏を返せば裏の4番。もう1個クリーンアップつくっちゃおう」とヤクルト主砲を“第2の4番”に据えた決勝戦で、先制ソロを放ち試合を決めた。下位でも得点が奪える打線を「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」までにつくりあげる。そのための2試合に井端監督は「上位も下位も含めて点は取りやすいようになってくる。どこからでもチャンスがつくれて(走者を)かえせるように。(考えすぎて)頭が痛いです」。指揮官の頭が痛くなればなるほど若き侍は強くなっていく。【栗田成芳】