虎の森下が「ミレニアム世代」を引っ張る! 井端ジャパンが13日、宮崎キャンプを打ち上げ、16日の台湾戦で開幕する「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(東京ドーム)に向けて東上した。阪神森下翔太外野手(23)は、日本ハム万波、ロッテ藤原、広島小園ら00年生まれの同世代7人衆のリーダー格になって、日本代表を17年以来の連覇に導く意気込み。日本シリーズが終わっても、森下の熱い戦いはまだまだ続く。

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宮崎での濃厚な4日間を終え、森下が充実の表情で侍キャンプを打ち上げた。各球団の有望若手選手が集まる「アジアプロ野球チャンピオンシップ」。00年度生まれの野手は森下を含めて7人が選ばれた。そのうち、万波や藤原、小園、中日石橋、日本ハム野村の5人が先にプロ入りした高卒出身。大卒入団は巨人門脇の2人だが、森下は力強く言った。「野球界の先輩は同世代でもあっち。でもルーキーだからって引くわけではない。自分が引っ張っていけたら、自分としてもいいかなと思う」。ミレニアム世代のリーダーとして、17年以来の大会連覇に導く意気込みを明かした。

ロッテ佐々木朗、オリックス宮城らの01年世代の1学年上の世代。1つ下に好投手がそろうからこそ「自分たちの代は野手で引っ張って。そういう世代にしていきたい」との大志がある。日本シリーズを経て10日からチームに合流すると、野球の話で質問を受けるこが多かったという。シリーズでは新人史上最多の7打点。世代の中でも一目置かれる存在になっていた。

3番左翼で出場した12日の練習試合・広島戦では、2点を追う6回に推定120メートルの特大ソロを披露した。実戦はこの1試合だけだったが、適時打を含む2打点で逆転勝ちを呼び込み、強烈なインパクトを残した。井端監督はこの日、改めて「昨日は森下選手がホームランを打ってからガラッと変わり、チームもいい方向に行った。そこから選手も明るくなりましたので」とムードメーカー的な活躍を評価。16日の開幕台湾戦でも打線の上位で起用する方向で、勝利への流れを呼ぶ一撃を期待する。

宮崎キャンプは中大の2学年先輩にあたる牧が中心となり、団結力を高めた。この日のフリー打撃では鋭い当たりを連発し柵越え1本を含む26スイングで締めくくった。「牧さん頼りになったらチームは回らない。若い選手がどんどん引っ張ることで、チームにいい流れをつくると思う。その中心に自分が立てれば」。

「森下世代」の躍進でアジア王者を勝ち取る。その中心に背番号23がいればもっと最高だ。【波部俊之介】