さあ、初陣だ。今日16日開幕の「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」を控えた参加4チームは15日、東京ドームで公式練習に臨んだ。侍ジャパンの初戦の相手は台湾。井端弘和監督(48)は先発に赤星優志投手(24)を指名し、打線の状態も上向きと分析。投打とも準備万全に、まずは初戦を取る。

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決戦前日、井端監督は「ほとんどの方が代表は初めて。僕自身も(トップチームの公式戦指揮は)初めてなので、非常に気持ちは高ぶってます」と打ち明けた。高ぶりも、選手を見れば安心できた。2時間の公式練習を終え「状態も上がってきた」と目を細めた。

打球の質が、そう言わせた。多くの選手が、芯で捉えた当たりを連発。若き大砲、万波が左翼席上段へがんがん放り込む。森下も負けていない。12日の広島との練習試合では5打席凡退に終わった佐藤輝は、最初の方こそポップフライが続いたが、途中から修正。右翼席最深部へと消える3連発を披露した。指揮官は「(合宿の)宮崎では、いろいろ課題を持ちながら選手も練習していた。今日見る限り、その辺もなく、試合モードに入っている」と、ひと安心の様子だった。

4日間で4試合の超短期決戦。ポイントを問われ「当然、初戦です」と即答した。「どの大会も初戦は苦労する。まずは1試合、全員で集中して勝てれば、その後は乗っていける」。そのためにも、打者にはまず1本を願った。「悩む」と言っていた打順については「決まってます。状態があると思いますし、実績も含めて考えました。イメージ通り」と話した。明言する4番牧を中心に、台湾の最速157キロ右腕・古林叡煬の攻略イメージはできている。

先発を託す赤星にも全幅の信頼を寄せる。「ペナントの中盤から終盤、すごく安定していた。1戦目は迷わなかったです」。投打に信じる選手たちを送り出す。その心は「国際試合はこういうものと、4試合通して知ってくれればいい。それを次の大会、レギュラーシーズンに生かしてくれれば。その中で勝って、結果、優勝できればいい」。侍の未来へとつながる戦いが始まる。【古川真弥】