V2へ補強第1弾だ! 阪神が新外国人として、右腕のハビー・ゲラ投手(28=レイズ)と大筋合意したことが17日、分かった。高知・安芸での秋季キャンプに参加中の岡田彰布監督(65)が契約間近であることを明かした。メジャー3勝ながら、真っすぐの最速が160キロを超えるパワーピッチャーで、勝利の方程式入りの期待がかかる。球団初のセ・リーグ2連覇、連続日本一へ向け、戦力整備を着々と進める。

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来季球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が、助っ人右腕の補強に動いた。中南米のパナマ出身で、今季レイズに所属した最速160キロ超えのパワーピッチャー、ゲラだ。高知・安芸で、岡田監督が「もう(交渉が)進むというか、だいぶ前からとちゃうん。パナマ(出身の右腕は)はだいたい(大筋合意に)いってるんちゃう」と独特の表現で明かした。2年目岡田阪神の補強第1弾が内定した。

ゲラは元内野手という異色の経歴も持つ。パドレスに所属していた18年は野手で13試合に出場するなど、野手としてメジャーを経験した。マイナーでは通算48本塁打のパワーも持ち合わせる。最終的に野手を断念し、19年から投手に転向。スイーパーや150キロ超えのシンカーを武器に、主に中継ぎとしてメジャー通算61試合に登板して3勝1敗、5ホールド、防御率6・43。マイナーでは今季32試合に登板して9セーブを挙げるなど、抑えとしても登板を重ねた。

チームは今季、守護神岩崎を中心としたブルペン陣が、救援防御率リーグトップの2・37と抜群の安定感でリーグ優勝を勝ち取った。ゲラの起用法について岡田監督は「そら分からへんよ、外国人なんて来てからや。投げんやつ(B・ケラー)もおるやん。分からへんって」と明言は避けた。だが、米国時代と同様にリリーフとして起用される可能性が高く、パワフル右腕が期待通りの活躍を見せれば、ブルペンがさらに厚みを増す。

虎の助っ人勢では野手ではノイジー、ミエセス、投手ではビーズリーの来季残留が決定。K・ケラーとシーズン途中に加入したブルワーの退団が決まっている。「ちょうどお友達できてええやん、ミエちゃん。しゃべれるやん、スペイン語で」。指揮官は同じ言語を話すゲラとミエセスで、コミュニケーションを取りやすくなると歓迎した。

岡田監督の方針で助っ人は最大5人と設定。来季残留組の3選手に加え、15日には残り2枠について「ピッチャー」と明かしていた。もう1人については「分からん」と話すにとどめたが、さらなる補強はあるのか。新外国人を加えた強力布陣で、24年も頂点を取りにいく。【古財稜明】

◆ハビー・ゲラ 1995年9月25日生まれ、パナマ出身。12年にレッドソックスと契約し、18年にパドレスでメジャーデビュー。当初は内野手で、メジャーデビュー時も代打出場で三振だった。19年から投手に転向。23年WBCパナマ代表。183センチ、86キロ、右投げ左打ち。

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