阪神ドラフト1位の下村海翔投手(4年=九州国際大付)が2回1/3で無安打2失点で降板し、大学ラスト登板で涙をのんだ。

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下村の大学ラスト登板は失意の中で終わった。0-0の6回から2番手で登板。130キロ台中盤のカットボールもさえ渡り、2イニングを3者凡退でパーフェクトに抑えていた。だが3イニング目の8回。味方の連続失策で1死一、二塁。突然、制球難に陥った。

「ゼロに抑えようという思いが強すぎたというか。今までもピンチは何百回、何千回と多分経験しているけど、こんなにストライクを1つ取るのが難しいと感じたことはなかった」

2者連続でストレートの四球。押し出しで先制点を許し、次打者の初球にボールを投じた所で交代した。直前の回までパーフェクトに抑えていた中、まさかの9連続ボール。2回1/3を無安打2失点で降板となった。

「最後の最後で弱い部分を見せてしまって。ここでチームを助けられなかったのは、一生忘れることはないと思う」

試合後の整列では、大粒の涙があふれていた。

今大会は18日の準々決勝の日本文理大戦で先発し、7回途中2失点。100球を投げ、中1日での登板だった。「疲労とかは関係なく意地と気合で何とか抑えようと思っていたんですけど。気持ちが空回りしてしまった」。青学大は今季、春、秋のリーグ戦を制し、大学野球選手権も優勝。史上5校目の「大学4冠」がかかり、力みが生まれた。

大学4年間で「一番悔しい」試合となった最終戦。リベンジへの思いは強い。「プロの世界で今日のような投球をしていては絶対に1軍で投げられない。1つ1つ課題をつぶして、ピンチを救えるような投球をできるように頑張ります」。タテジマのユニホームで悔しさを晴らす。【波部俊之介】r