連覇メンバーは一緒じゃあかん! 阪神岡田彰布監督(65)が、連覇へのカギにレギュラー陣を脅かす新戦力の台頭を挙げた。「そらあ、やっぱり、連覇な。来年はそういう形になるわけやから。今までないんやからなあ」。初の連覇を意識し「2005年の後も、ほとんどメンバー変わってない。やっぱり、そのメンバーでは勝てんということやろな」と回想した。

前回阪神監督を務めた1年目の04年は、03年に星野監督がリーグ制覇したチームを受け継いだ。だが、新陳代謝を図ることができず4位。05年にリーグ優勝した翌年06年は、開幕スタメン野手で前年からの変更は、6番スペンサーが桧山に替わっただけだった。自身が現役だった85年も日本一になった2年後には、最下位に沈んだ。過去3度の苦い歴史から得た連覇に必要な教訓は、新戦力の台頭だった。

「あの頃よりも今の方が年齢も若いから、個々の伸びしろもあるけどな」。野手では、高知・安芸での秋季キャンプ中に育成から支配下登録された野口恭佑外野手(23)が伸び盛り。投手では、来季高卒2年目の150キロ左腕、門別啓人(19)が猛アピールした。「来シーズンに向けてスタート切った時に、『あっコイツえらいすごいのがまた来たな』みたいなな。で、今までやってたやつもすごい力つけたな、とかさ。そういう刺激は必要やと思うけどな」と起爆剤の登場を心待ちにする。

裏を返せば、主力も決して安泰ではないということだ。侍ジャパンで「アジアチャンピオンシップ」優勝に貢献した佐藤輝、森下について、こう指摘した。「そら(2人が)帰ってきてびっくりする方が楽しみよ、いい意味で。『俺、ちゃんとあるかな守備位置』と思う方が楽しみ」。野口や門別らがオフ期間で大きく飛躍すれば、レギュラー陣もウカウカしていられない。24年の開幕オーダー、1軍戦力に見慣れない名前があれば、連覇への可能性も高まりそうだ。【中野椋】