甲子園の星が電撃トレード-。日本ハム吉田輝星投手(22)とオリックス黒木優太投手(29)のトレードが24日、両球団から発表された。18年に金足農(秋田)のエースとして夏の甲子園で準優勝。同年ドラフト1位で日本ハムに入団し、昨季は自己最多51試合登板と中継ぎで結果を出したが、今季はわずか3試合にとどまっていた。リーグ3連覇を果たしたオリックスで心機一転、飛躍を図る。

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吉田は日本ハムでの“立ち位置”を見失った状況だった。本人は先発志望で春季キャンプをスタートも、開幕前には昨季の持ち場の中継ぎへ再転向。開幕後は「焦り気味でフォームを崩した」こともあり、1軍では3試合登板に終わった。

吉田は常々、言っていた。「将来的に先発でエースになりたいという夢はありますけど、今は形にこだわっている場合じゃない」。球団も、そんな将来を期待していた。ただ、先発陣は着々と層が厚くなった。上沢がメジャー挑戦を表明しているが、国内FA権を取得した加藤貴が残留。伊藤やポンセに上原、若手では北山、金村、根本らが台頭。厳しい立場だった。

その中で選手のためになるなら、激しい新陳代謝をいとわない日本ハムが選択したのがオリックスとのトレード。秋田出身の大先輩、中嶋監督がいて、日本ハムでダルビッシュらを指導した中垣巡回ヘッドコーチもいる新天地で、吉田には期待していた将来像になってもらいたいと送り出すことになったのだろう。

オリックスから獲得した黒木は中継ぎでの実績もあり、近年は先発にも挑戦。柔軟性のあるユーティリティーさは新庄監督の采配にもマッチする補強となりそうだ。【木下大輔】