日本ハムは25日、国内FA権を行使していたオリックス山崎福也投手(31)と入団合意に達したと発表した。FAでの投手獲得は球団初。今オフは国内FA権を取得していた加藤貴之投手(31)を残留させ、オリックス3連覇に尽力した11勝左腕の獲得にも成功した。新庄体制3年目の24年は、今季4勝の上原、侍ジャパンでアジアプロ野球チャンピオンシップ連覇に貢献した20歳根本らを加えた強力な左腕王国を築き、8年ぶりのリーグ制覇を狙う。

  ◇  ◇  ◇

新庄監督が、バリエーション豊富なサウスポーをそろえ、パ・リーグ勢力図を塗り替える。山崎福の獲得を受け早速、自身のインスタグラムを更新。「山崎君が考えて考え抜いた結果、ファイターズに来てくれることが決まりました。決まるまで毎日息苦しかったですが、今はホッとしてます。山崎君は素晴らしいプレーヤーであり最高の人間です。エスコンで温かく大拍手で迎えて下さい」とメッセージを発信した。

日本ハムは4年総額8億円程度の条件を提示して、交渉開始。残留要請をしていたオリックスや、獲得オファーを出した巨人、DeNA、ヤクルト、ソフトバンクの他5球団に比べ、接触したのも一番最後で、条件面も最も低かったとみられる。そんな中、新庄監督も23日のファンフェスティバル後に「運命的に一緒にやれるのであれば、やりたい」とラブコールを送り、交渉を後押しした。

さらに22年までバッテリーを組んだ伏見や、今季開業した新球場エスコンフィールドの充実した施設の存在も、プラス要素になった可能性が高い。球団自前の新球場内には最新式のウエートルーム、仮眠室、風呂、プールなどがそろっていて、選手は自由に使える。来年32歳を迎える山崎福も魅力を感じたはずだ。

新庄監督が本気で優勝を狙う勝負の3年目。山崎福加入で屈強な左腕王国が築かれる。リーグ3位の163回1/3を投げた加藤貴がFA権を行使せず残留。今季初100イニング超えで4勝の上原に、侍ジャパンで才能を示した20歳根本もいる。中継ぎ陣も今季50試合登板の河野、球団記録タイ29試合連続無失点を続ける福田俊、前人未到の400ホールドまで残り7に迫った鉄人宮西も、満を持す。

パ・リーグはソフトバンク近藤、柳田、オリックス森ら、左の強打者ぞろい。ドラフト1位細野も加えた豊富な左腕陣で翻弄(ほんろう)し、2年連続最下位からの下克上を狙う。【永野高輔】

 

<山崎福争奪戦の6球団の熱烈オファー>

日本ハム 4年総額8億円

オリックス 複数年契約、年俸大幅アップ

巨人 4年総額8億円超、背番号11

ヤクルト 4年総額8億円超

DeNA 4年総額8億円超

ソフトバンク 4年総額12億円超

(金額は推定)

【関連記事】日本ハムニュース一覧