来季開幕投手に決まっている日本ハム伊藤大海投手(26)が、侍同僚の決断に刺激を受けた。

3月のWBCでともに世界一に輝いたオリックス山本由伸投手(25)がドジャースと12年総額3億2500万ドル(約455億円)で合意したことを伝え聞き「すごい。どれぐらいやってくれるか楽しみ」とエール。同じリーグで投げ合ったライバルの挑戦を、来季スタートダッシュへの活力にする。

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シーズン中も互いに力をぶつけあった“戦友”の超大型契約報道に、伊藤は目を丸くした。12年総額約455億円。「今25歳? 37歳まで何の心配もせず野球に打ち込めるってすごいことですよね(笑い)」。そして続けた。「通用すると思う。年齢関係なく尊敬してますし。どれぐらいやってくれるのか、すごく楽しみ」とエールを送った。

今季は9月2日に投げ合った。自身は9回116球を投げ、2安打1失点と好投も、軍配は7回無失点の山本に上がった。敗れはしたが、楽しかった。「お互い、これならどうだ!っていう。オレのピッチングでリズムをつくるんだっていう気迫って言うか。淡々と投げてますけど、伝わってくる物はありました」と振り返った。

高いレベルでバトルを繰り広げてきた間柄だからこそ、感じるものは大きい。「刺激になる。日本の野球自体も見る目が変わってきているので、そこで結果を出す事にすごく意味があると思います。野球人として極め、成長していく可能性が無限大にある。自分次第で(道を)切り開いていけるのかな、と思います」。大谷、松井裕に続き、山本にも破格の条件。日本球界の評価を高めてくれる先人は大歓迎だ。

日本ハムのシンボル的存在でもある大谷と同じチームに入ることには「びっくり。すごいですね。それも1つご縁というか。日本トップクラスの投手が海を渡って同じチームでプレーするっていうのは、まだ想像もつかない」。偉大な先輩、後輩の“共闘”に胸弾ませながら、自らは24年開幕への準備を整える。【永野高輔】