DeNAからポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた今永昇太投手(30)が、カブスと契約合意したと9日(日本時間10日)、複数の米メディアが伝えた。
昨年11月下旬、今永から声を掛けられた。「体調、どうですか?」。問題がないことを伝えると「良かったです。気をつけてくださいね」とほほ笑んだ。その約6カ月前、横浜スタジアムで行われた取材中に記者が熱中症のような症状で倒れたことを気に掛けての言葉だった。
あの時も、今永の言葉に救われた。スタンドの椅子に倒れ、意識が戻った瞬間に今永の声が聞こえた。「動かないほうがいいです」。立ち上がろうと思ったが、今永の声で起き上がるのをやめた。駆けつけたトレーナーに「頭を打ってるかもしれないので」と的確に情報も伝えてくれた。
周囲を思いやる姿に何度も触れた。記者のネタ不足を心配し、責任感を養うために「花を育てる」、夏バテ対策で自宅で「今永旅館」と次々にネタを提供。22年の日本ハム戦(札幌ドーム)でノーヒットノーランを達成した時は「僕たちのホームではないので」と気遣い、控えめに喜んだ。
同11月13日、ポスティングシステムでのメジャー挑戦を表明した会見で今永は言った。「自分の生き方を変えるのは、今しかないっていうのが一番の理由でもある」。なぜ、30歳を迎えた今、メジャーを目指すのかと聞かれ、そう答えた。
「このままの生き方では、自分にウソをついた生き方なような気がして。僕の挑戦を見て、同じような境遇の人やふさぎこんでる人がいたら、彼が頑張ってるなら、私もちょっと頑張ってみようと思われるような選手になりたいです」
自分が変わった姿を見せることで、周囲の人も変われるきっかけになれば-。野球人生の大きな決断の裏側にも、周囲への思いが込められた。【久保賢吾】



